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投資判断に使うPERの目安値について徹底解説!

※記事内広告有り

PERの目安値について徹底解説!

PER(株価収益率)の目安値を知り、株式投資の参考にしたい。

とれろく
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そんな投資家の為に、PERの目安値について徹底解説していきたいと思います。結論から言えば、PERの目安は一律で○○倍とすることはできず、業種別、また国別の平均値を参照し、決めていく必要があります。

では具体的にどうやって業種別平均PERを知り、国別の平均PERを知るのか?それをもとに、どのように目安PERを判断していくのか?

早速解説を進めて行きたいと思います。

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そもそもPERとは?

PERとは株価と当期純利益を比較し、株が割安なのか割高なのかを判断する株式指標の1つ。和訳は株価収益率(Price Earnings Ratio)。

Price(株価) Earnings(収益) Ratio(比率)の頭3文字を取って「ぴーいーあーる」と呼ばれています。

PERの計算式

PERの計算式

PERは株価を、1株辺りの当期純利益で割ることで計算できます。

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計算式をみると、PERの値が高ければ高いほど=株価に対し、稼いでいる利益額が小さくなることが分かります。

PERが高い=株価に対し利益が小さい

株価当期純利益(EPS)PER
A社1,000円50円20倍
B社1,000円25円40倍
C社1,000円10円100倍

※3社とも同じ時価総額

1株辺り当期純利益が小さくなるに連れ、PERの倍率が大きくなることが分かります。

M&Aの視点で見ればPERの倍率は「投資回収期間」と考えることができます。PER20倍の会社は20年で元が取れる。PER100倍の会社は100年で元が取れる。PERの倍率が高い会社ほど、投資すべきか迷う、割高な株だということですね。

ここで注意したいのが“高PER株を避けて投資をする”こと。

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高PER株は割高であるというイメージが先行し、投資対象から外す個人投資家が多い。がこれはNG。

高PER株=将来の成長に大きく期待が寄せられている期待値の高い株。単純なトレンドフォロー、順張り手法、長期投資を行うのであれば高PER株こそ、注目すべき株です。

低PER株は将来の見通しが低く、期待が寄せられていない株です。これは日本の業種別PER平均値を見ても分かります。

例えば銀行業の平均PERは10倍前後と低PERで推移。対して、情報通信業の平均PERは25倍前後と高PERで推移しています。

低PERで割安感があるものの、将来的に大きな成長が見込めない銀行業に投資するより、高PERでも、成長が見込める情報通信業に投資を行う。こちらの方が投資家として理に適っています。高PER株だから投資はしない。という選択はNG。

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投資判断となるPERの目安値の求め方

PERの目安値を知り、投資判断に役立てるには3通つの方法があります。

1・過去のPERを目安値とする。

同一会社でのPER推移を確認すれば、過去と比較し今のPERが割安か、割高かを判断することができます。

例)トヨタ自動車(7203) PER推移

トヨタ自動車(7203)の過去1年のPERの推移

最新のトヨタ自動車のPER(株価収益率)の推移はこちら

トヨタの過去PERを確認すると、4月23日にPER10.78を付けた後、急落。その後じわりと上昇し、現在は急落前の10倍前後まで戻っています。

このPERの急落はトヨタが利益見通しを情報修正、1株辺り当期純利益が増加した為に発生したものです。

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通常、業績が上方修正されれば、株価も上昇します。が、理論上の株価まで急上昇することは稀。ゆっくりと株価に織り込まれることが多い。その結果。小さな株価上昇にとどまり、PERは下落してしまう。という結果が良く見られます。

実際、先ほどのトヨタ株の株価は大きく上昇しました。

同期間のトヨタ株のチャート

PERが減少するも、トヨタの株価は上昇している

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これはPER急落前のPER10.78倍が目安値として機能し、株価が目安値に向かって徐々に修正されていったと判断できます。

上記株価チャートだけを見ていると、株価が上昇しすぎなのか判断しにくい。そんな時、PERを確認することで、過去のPERを目安に現在の買われすぎ、売られすぎを判断することが可能。

PERの急落、急上昇は格好のトレードチャンスを提供してくれます。

2・業種別PERを目安とする。

業種によってPERの平均水準も大きく変わります。

規模別・業種別PER・PBR(日本取引所グループ)

業種別PER

最新データはこちら

検討中の株は何の業種なのか?平均PERはどの程度なのか?これを目安値にし、株を購入するかどうか検討することが可能です。

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業種平均PERが10倍、検討株のPERが4倍。そんな差が見つかれば、その株には自分が知らない悪い情報、将来の見通しが発表されているかもしれません。

業種平均PERを目安値とし、個別株を評価することで、その業界における立ち位置を判断することが可能。

3・同業他社のPERを目安値とする。

同業種であっても、伸びている会社、停滞している会社ではPERが大きく異なります。

例えば世界の自動車メーカーであるトヨタ自動車と、日産自動車の傘下に入った三菱自動車工業のPERは2倍以上の差があります。

三菱自動車工業のPERは5.47倍。株価も低迷

三菱自動車工業のPER

最新の三菱自動車のPERはこちらから

トヨタ自動車のPERは13.76倍、株価は上昇中

トヨタ自動車のPER

最新のトヨタ自動車のPERはこちらから

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同業種間で複数の会社のPERを比較することで、どの会社に一番期待が寄せられているのかを把握することができます。

No1の会社のPERを知ることで、No2,No3の会社がNo1と同規模のシェア・売上・利益を計上するようになった場合、どの程度まで株価が買われるのかも想定することも可能。

有り得ない例え話ですが、先ほどの三菱自動車工業がトヨタ自動車工業を抜きんでるような会社に成長すると、株価は487円から1,225円まで上昇すると見込めます。(13.76倍÷5.47倍×487円)

実際に多く見られる事例は業界No4がNo3になる。No4の会社がNo5の会社を買収することによりNo2に躍り出る、といった事例が多い。

このような変化に対し、どれほど株価が上昇していくのか?という予測にもPERを目安にすることができます。

PERを目安に国レベルで株式を評価

PERは1つの企業の収益性だけでなく、国の株式市場全体を評価できます。国全体で評価することで、世界から見た日本の立ち位置が見えてきます。

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米国株、中国株といった海外投資を検討するのであれば、是非確認しておきたいところ。

日経平均先物指数のPER推移

個別株のPERと日経平均株価のPERを比較することで、その株の立ち位置。日本でどの程度期待されている株なのか?を目安で測ることも可能

米国株(S&P500)のPER推移

海外のサイトなので苦手な方もいるかもしれません。

世界の株価指数のPER

世界で見た場合、日本のPERはどのあたりに位置しているのか?ランキング形式で見ることができます。

下から数えた方が早いのが悲しいですね。

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PBR(株価純資産倍率)とPER(株価収益率)の違い

PERと肩を並べる財務分析の指標に、PBRがあります。

PBRとPER、どちらが優れた財務分析なのか?という問いはナンセンスです。と、いうのもPBRとPERは大体、似たような動きをするからです。

先ほどの世界各国のPERが見れるサイトを見てみると分かります。

左のオレンジの目盛がPER、右の緑の目盛がPBRです。

PERが高い順にランキングしているのですが、PERが高い国はPBRも高い傾向が見て取れると思います。

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PBRとPER、どちらが優れた財務分析なのか?という比較をする必要はありません。

ただし、PBRは株価と純資産額を比較、PERは株価と純利益を比較するという違いがあります。この比較対象の違いは倍率の変化スピードに影響を与えます。

PERの計算に使う純利益は、年度によって大きく増減します。今年は黒字だったけど、来年は赤字。そんなこと株式市場では日常茶飯事。

利益が黒字から赤字に変わると、PERはプラスからいきなりマイナスにまで急激に変化します。このようにPERは大きく下がることがあれば、大きく上昇することがあります。

対して、純資産がいきなり、大きく減ってしまうことは少ない。PBRはPERと比べると倍率の変化はゆるやかです。

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とはいっても稀に、純資産が大きく減少し債務超過入りする企業もあります。

実例を次の記事で紹介しています。

変化スピードは著しく、たった1年で債務超過入り→上場廃止となる会社があるのは事実。

こんな会社の株を購入してしまわないように、PERやPBRの倍率だけでなく、その会社のビジネスモデルまできちんと把握し、株式投資を行っていきたいですね。

投資判断に使うPERの目安値について徹底解説!まとめ

PERの目安は一律で○○倍とすることはできず、業種別、また国別の平均値を参照し、決めていきます。

PERの目安値を知り、投資判断に役立てるには3通つの方法があります。

1・過去のPERを目安値とする。
2・業種別PERを目安とする。
3・同業他社のPERを目安値とする。
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どの方法でもPERを使って株価を評価することが可能。また結果は似たようなものとなるため、自分のトレードスタイルと合わせて方法を選択すればOKです。短期売買であれば1の方法が良く、中長期であれば2や3で評価するのがオススメですね。

この他、株式投資家に役立つ記事を多く書いているので、良ければ下記関連コンテンツより読んで貰えると嬉しいですね。

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