スイスフラン円ってどんな特徴を持っているの?

そんな疑問を抱えているFXトレーダーの方に、スイスフラン円の特徴、取引のコツについて解説したいと思います。特徴を押さえて有利に取引を進めていきましょう。
スイスフラン円の特徴
スイスフランを取引する上で押さえておきたい特徴は2つ。
- スワップポイント狙いならスイスフラン売りを検討
- スイスフランは円と同じく安全資産。レンジ狙いの取引が有効

スイスフランは外国為替市場でも特殊な立ち位置にある通貨。上記2つの特徴に沿った取引をする必要があります。どうして、スワップポイント狙いなら売りなのか、どうしてレンジ狙いなのか?詳しく解説していきたいと思います。
スワップポイント狙いならスイスフラン売りを検討
スイスは2008年のリーマンショック以降、急速に低金利化。(現在-0.75%のマイナス金利)スイスフランに投資しても、スワップポイントは貰えません。
スイスの政策金利推移
最新のスイスの政策金利はこちら
スイスがマイナス金利を採用した理由は2つ。
- スイスフラン高を抑制
- 低迷する消費者物価指数
この理由が解消されない限り、マイナス金利政策は継続する見込み。よって、スイスフランを売って、高金利通貨を購入するキャリートレードが有効な戦略です。

さて、なぜスイスはマイナス金利を採用し、スイスフラン高を抑制しているのか?また消費者物価指数の推移はどうなっているのか?スイスフラン売り戦略を後押しする情報について紹介していきたいと思います。
・スイスにとって望ましくないスイスフラン高
スイスは永久中立国、世界最大の金保有国(国民1人当たり)というのは有名ですが、毎年多額の貿易黒字を稼ぐ、輸出国家というのはあまり知られていません。
スイスの貿易収支推移
最新のスイスの貿易収支はこちら
2002年以降、貿易黒字が増加。2019年には391億ドルも稼いでいます。輸出にマイナスとなるスイスフラン高はスイスにとって望ましくありません。
スイスにとって特に避けたいのが対ユーロでのスイスフラン高。スイスはドイツやフランスといった欧州諸国に多額の輸出を行っている為、対ユーロでスイスフラン高が進むと、輸出産業に大きな影響を与えます。
事実、自国産業を守る為、2008年にはユーロ買い、スイスフラン売りの為替介入、2011年から2014年にもユーロ買い、スイスフラン売りの為替介入を実施しています。
ただし、2015年に為替介入によるスイスフラン高抑制ではなく、マイナス金利採用によるスイスフラン高抑制へと舵を切ったことで、相場は一時対混乱。ユーロスイスフランが1.2から0.9へと25%もスイスフラン高が進む「スイスショック」が発生。

長期で見ればマイナス金利採用により、スイスフラン高は抑制。スイスフラン売りのスワップポイント狙いのトレードを後押しします。
金利政策に影響を与える消費者物価指数も低迷中。間近では物価がマイナスとなるデフレも発生しています。
スイスの消費者物価指数推移
最新のスイス消費者物価指数はこちら
デフレが起きている為、インフレ抑制のための金利引き上げへと政策が切り替わる兆候も見られません。

スイスフラン高を抑制したい思惑、低迷する物価を考えればスイスのマイナス金利政策は引き続き継続見込み。スイスフランを売って、高金利通貨を購入するトレードは理に適った取引です。
スイスフラン円はレンジ狙いの取引が有効
スワップ狙いではなく、為替差益を狙う場合、スイスフラン円でのレンジ狙いの取引が有効です。
スイスフランは円と同じく安全資産。この為、スイスフラン円の為替チャートは大きなトレンドを描きにくく、レンジ相場の割合が高い。
スイスフラン円の為替チャート
最新のスイスフラン円の為替チャートはこちら
過去35年間。スイスフラン円は一定のレンジに収まっていることが確認できます。トレンド狙いではなく、レンジ上下限を狙った取引が有効です。

どれだけレンジ比率が高いのか?比較対象として、ユーロスイスフランの為替チャートを見てみましょう。
ユーロスイスフランの為替チャート
最新のユーロスイスフランの為替チャートはこちら
ユーロスイスフランは過去40年、一方的なユーロ安、スイスフラン高が継続。一方的なトレンドが発生しています。
一見、スイスフラン円をレンジ狙いで取引するよりも、ユーロスイスフランを下落狙いでショートする方が有効なように見えます。が、これはNO。ユーロスイスフランのショートはオススメできません。
ユーロスイスフランの下落トレンドはスイスにとって望ましくありません。これまでユーロ買い、スイスフラン売りを行ってきたスイスの為替介入を見ると、ユーロスイスフランのショートは大きなリスクを抱えることになります。

よって、スイス絡みで為替差益を狙うならスイスフラン円のレンジ狙いをオススメします。
スポンサードサーチ
スイスフラン円の特徴まとめ
スイスフランはマイナス金利政策が長期に渡って継続する見込み。この為、スイスフラン売り、高金利通貨買いのスワップ狙いの取引が有効。
為替差益を狙う場合、リスクを抱えるユーロスイスのショートではなく、スイスフラン円のレンジ狙いの取引が有効。

このほか、様々な通貨ペアの特徴、取引のコツを解説しています。良ければ下記の関連記事より読んでみて貰えれば嬉しいですね。