ユーグレナ(2931)の株価推移、業績推移を探している
であれば、こちらの記事が役に立ちます。

今日はユーグレナの株価予想。分析・今後の見通しについて解説していきたいと思います。
2020年5月26日(火)株価予想の見直しを実施。
以下前回の予想
結論から言うと、全力で空売りOK。株価は順当に下がり続けると予想。業績の悪化は止まることなく継続する見通しです。
理由はミドリムシブームは終了、バイオ燃料は営利化できない。
営利事業の化粧品、健康食品の売り方下手。
ライバルのファンケル、DHCに顧客を奪われるづける。というものでした。
が、2020年5月15日発表、2020年度Q2決算資料を読み解くと、体質が変化し、徐々に儲かる会社へと変化しつつあるように受け取れます。

ユーグレナの株価予想。分析・今後の見通しについて、早速解説を始めていきたいと思います。
そもそもユーグレナってどんな会社?
東証一部上場 株式会社ユーグレナ(2931)
ミドリムシを使った化粧品、健康食品の販売を手掛けており、またミドリムシ由来のバイオジェット燃料、ディーゼル燃料の開発をしています。
ちなみにこんな健康食品を販売中(公式オンラインショップより)

健康食品、化粧品共に定期購入者をどれだけ獲得できるか?が今後の業績を左右させます。バイオ燃料事業も手掛けていますが、私は営利事業になり得ないと受け止めています。
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ユーグレナの株価推移、業績推移、指数、配当金を確認
まずは現在の株価、これまでの業績推移などを確認しましょう。
ユーグレナの株価推移
2012年上場時の株価は150円。2013年5月には高値3,300円を記録。
株価20倍を達成した歴史があります。
最新の株価チャートはこちら
が、売上がピークを迎え減少に転じた以降、株価は下落を続けています。
ユーグレナの売上、利益推移
ユーグレナは2018年に売上のピークを向かえ以降減少。
利益も赤字が続いています。
2019年度の大赤字は2018年10月に竣工したバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラント建設費用64億を一括費用計上、さらに子会社の固定資産等で減損損失23億計上した為。要は一過性の大赤字です。
ただし、それを踏まえても赤字体質なのは変わらず、
主力の化粧品、健康食品事業が不調です。
2020年度の業績予想は9億の赤字でしたが、コロナの影響もあり予想無しへ修正済み。
ユーグレナのPBR、純資産推移
もちろんPBRも順調に下落中。
ただし、純資産額は株式の発行等により潤沢。
2020年3月末時点での手持ちの現金及び預金も70億を超えており、
多少の赤字ではビクつかない体力があります。
ユーグレナの配当金、株主還元
配当無し。
2020年度Q2決算資料を読み解く
それでは最新の決算資料を踏まえつつ、ユーグレナの株価を予想していきます。
化粧品、健康食品事業により株価が一時的に上向く?
前回、ユーグレナの株価は下落していくと予想した理由は
化粧品、健康食品市場の競合会社の強さにありました。
例えばユーグレナが売上を落とす中、
競合のファンケル、DHCは順調に売上を拡大。
例)ファンケルの売上推移
資料:ニッポンの数字より
競合各社は消費者庁の機能性食品制度の認証を取得、効果効能を全面に押し出し、消費者の購買意欲を煽るセールスをガンガン展開。
そんな中、ユーグレナは公式販売ページを見ても、情報が浅く、
消費者への訴求力が非常に弱い。
これが売上低下の原因になったものと受け止めていました。
が、ここにきて、販売ページ、ブランドの大幅リニューアルを実施。
その結果、定期コースの申し込み率が6割から9割へ急増しています。
ちなみに商品画像のビフォーアフター画像はこちら。
古臭いデザインから今風のおしゃれなデザインに変化していますね。

昔の販売ページもぶっちゃけひどいデザインでした。
が、既にこちらもリニューアル済み。
その結果、広告宣伝費を抑えながらも、定期購入者が純増。
広告費は2019Q3、Q4が16.45億円に対し、2020Q1、Q2は10.29億円。
約6億円の削減しています。
2020年Q2の決算では3.6億円の赤字でした。
あと少しで、営業損失から営業利益へ、プラ転しそうなほど改善していますね。
ちなみに今までは本当にひどかった。
下記は前回の2020年Q1時の資料です。
2019年Q1からQ4に掛けて広告宣伝費をガンガン使うも、
定期購入者数は減少を続けており、オワコン臭が漂っていました。
セールス方法を刷新したことは、今後のユーグレナの業績を後押しするでしょう。

これがユーグレナの株価予想を難しくさせた原因です。安易に空売り推奨とすることができなくなりました。
バイオ事業が足かせになり年単位で見れば株価下落予想
ユーグレナはバイオ燃料事業に乗り出しています。
2017年6月 製造実証プラント着工、2018年10月に完成。(総投資額58億円)
紆余曲折を経て、今期にバイオ事業から売上を初計上するも、1週間で生成できる量は東京~大阪間の1往復分のフライト燃料。
事業として成立させるには実証プラントでなく、
新たに商業プラントを製造する必要があります。
ユーグレナは2025年に商業プラントを完成させると発表しています。
が、建設する場所、事業パートナーも未定です。
また実証実験でのバイオ燃料生成コストは簡易計算で1万円/Lと非常に高価です。
ユーグレナ、日本初のバイオジェット・ディーゼル燃料 製造実証プラント竣工式。「日本をバイオ燃料先進国に」と出雲社長
プラントの建設に60億円が投じられ、さらに年間の運転コストとして6億円が必要になるとして、建設費を10年で減価償却すると想定すると、1年のコストが12億円となり、年間の生産量として設定している125kLで割り算をすると1万円/Lになると解説
これを商用プラントでは100円/Lまで削減すると発表しています。
これは当時の原油高を意識しての目標値だったと思いますが、
現在、原油価格は暴落中。
暴落前の2015年~2020年の航空機用燃料は1ガロン(3.7L)1.3ドル~2ドル程度。
1ドル100円で換算すれば、1リットル35円~54円です。
仮に100円/Lまで製造コストを効率化させたとして、価格では当然負けます。
よって、バイオ燃料を商用化させ、流通させるには、政府から多額の補助金を貰えるか?が重要です。事実、海外のバイオ事業のほとんどは政府からの補助金のお陰で成り立っています。
また、ユーグレナの計画はあってないようなものです。
例えば2014年11月発表の決算説明会資料では、
実証プラントの着工は2015年度に着工を目指すと発表していました。
が、紆余曲折を経て着工したのは2017年6月と軽く2年の遅れがあります。
現在の計画では2025年に商業プラントを完成させると発表していますが、
まず達成できないでしょう。不透明感満載です。
また、儲かる事業になるのか?というのも疑問視。
結局、稼がないと株価は上昇しません。
以上の理由により、バイオ事業は足かせにはなるものの、株価を上昇させる効果を持つことはないと判断しています。
ただし、マーケットはバイオ事業のニュースを好材料として、反応しやすいです。
どちらもすぐに株価が下落しているものの、もし空売り中だと恐怖。
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ユーグレナの株価予想。今後の見通し まとめ
長期的には化粧品、健康食品事業はファンケル、DHCに喰われると予想している為、買いで保有することはありません。
ただし、化粧品、健康食品事業が好転しかけている以上、これまで通りの空売りは行いにくい。ニッチな市場で小さく稼ぎつづける可能性があります。
そこでできるトレード方針とすれば、好材料が発表され一時的に株価が上昇した時に空売りするぐらいか・・・な。

ただし、次の決算で化粧品、健康食品事業の好転が継続していない場合、ガンガン空売りしていきます。引き続き要監視です。