200日移動平均線って有効?使う意味ある?
そんな疑問を抱えているトレーダーの方へ、200日移動平均線について私なりの考え方を紹介します。結論から言えば200日移動平均線は使わない方が良いです。
一定期間の株価を平均化し、算出する移動平均線。
短期売買~長期まで問わず使うことのできる優秀なテクニカル分析です。
一般的に使われる期間は5日、25日、50日、75日の4つ。
それぞれ次の平均値をとることが可能です。
25日・・約1ヵ月
50日・・約2ヶ月
75日・・約3ヵ月
例えば25日移動平均線が上を向いていれば、例え5日移動平均線が下向きであったとしても間近1ヵ月のトレンドは上昇方向である。というように判断することが可能です。
このように、トレンドの向きを知るのに使われることの多い移動平均線。中には期間を長くとった200日移動平均線を使い、トレンドの向きを調べるトレーダーもいます。
果たして200日移動平均線はどのような用途なのか?詳しく触れていきたいと思います。
200日移動平均線はどのような線?
200日移動平均線は株の場合、40週。
40週は280日間なので、おおよそ9か月間の株価平均となります。
他の期間と比べても中途半端なのは否めません。
75日移動平均線なら約3ヵ月ということで、企業の四半期決算と期間が一致するし、150日なら約6か月で中間決算と期間が一致します。
区切りの良い期間で株価の平均値を出したいのであれば、せめて250日移動平均線(祝日込みで約1年)を採用すべきだと感じてしまいます。
どうして200日移動平均線が広まったのでしょうか?
グランビルの法則は200日移動平均線
J・Eグランビルの考案した「グランビルの法則」。
株価と移動平均線の位置関係から8つの売買タイミング示します。
グランビルの法則で推奨されている移動平均線の期間は200日です。
これが影響し、200日移動平均線を使うトレーダーが増加したと考えられます。
200日移動平均線って使えるの?
では実際に200日移動平均線を表示させた日経平均株価チャートを見つつ、有効性について考察してみましょう。
2015年1月~2020年6月までの日経平均株価へ、200日移動平均線を表示させ、グランビルの法則や、サポート、レジスタンスとして機能したのかどうか?見てみた結果がこちらです。
日経平均株価×200日移動平均線(2015年1月~2020年6月)
随所でグランビルの法則、サポート、レジスタンスが機能している。
と思ってしまってはいけません。
日経平均株価の期間を2019年1月~2020年6月に絞り、もっと拡大したチャートで見てみましょう。
ちょうど、この辺りの株価ですね。
その結果がこちらの画像です。
日経平均株価×200日移動平均線(2019年1月~2020年6月)
200日移動平均線ははっきり言って、細かい売買タイミングを狙うのに不向きです。売買タイミングかな?というポイントが何回も現れるし、ココが売買ポイントかな?というタイミングも人の直観や感覚に大きく委ねられます。
トレーダーには不確かな情報を、自分の都合の良いように解釈する「確証バイアス」という心理が作用します。
もし、200日移動平均線が有効な理由を探し、結果この記事に訪れたのであれば、先ほどの株価チャートを見てもまだ「200日移動平均線は有効」だと判断しているはずです。
「グランビルの法則×200日移動平均線」は自分にとって都合の良い解釈をしてしまい、情報が不確かになりがち。もしグランビルの法則を使うのであれば、私は移動平均線の期間をもっと短くして使うべきだと考えています。
私は200日移動平均線よりも25日移動平均線の方が優れていると判断しています。
その理由はこちらで紹介しているので、良ければ読んでみて貰えれば嬉しいですね。