RCIの見方と使い方をチャートで解説
オシレーター系のテクニカル指標であるRCI。RSIよりも扱いやすいとしてRCIを使うトレーダーが増えつつあります。そんなRCIの見方・使い方は数多くあり、何が有効なのか?分かりにくいという現状があります。情報の整理がてらRCIの見方や使い方をまとめていきたいと思います。
余談話。
実は私はRCIを使うよりも、RSIを使うべきだと判断しています。
これから解説するRCIの見方・使い方で「どうも腑に落ちない」、「なんか違和感を感じる」という感情を抱いた方。もしよければこちらの記事も読んでみて貰えればと思います。
それでは早速RCIの見方・使い方について解説していきたいと思います。
RCIの使い方・見方は全5パターン
RCIには5つの使い方・見方があります。
- RCIの向きからトレンドを判断する
- 買われ過ぎ、売られ過ぎを判断する
- 水準を超えた時に逆張り
- 反転からの順張り
- 複数のRCIのクロスによる売買
この全5パターンを覚えればRCIを使いこなすことが可能です。難しい使い方ではなく、どれもシンプルな手法なのでさくっと理解してしまいましょう。
それぞれ詳しく解説していきましょう。
RCIの向きからトレンドを判断する
RCIの向いている方向から上昇トレンド、下落トレンドを知ることが可能です。
RCIが上向きであれば価格は上昇トレンドを描いています。
トレンドに逆らわないように、RCIが上向きであれば、押し目といった買い場を探すことで勝率を高めることが可能。
RSIといった他のテクニカル指標だと、ギザギザした描写なので、「現時点でどっちの方向を向いているのか」分かりにくい。
RCIは一度トレンドを判断し、描き続けるとその方向が変わりにくいという特徴を持つ。このため、初心者の方も難なく取り扱うことが可能。
買われ過ぎ、売られ過ぎを判断する
RCIは相場の過熱感を+100~-100の範囲で表し、+100に近ければ近いほど買われ過ぎ、-100に近ければ近いほど売られ過ぎと判断できます。
実際のチャート例がこちらです。
RCIが+100に近づく場面では価格も高値圏を形成しており、その後調整下げが訪れたことが分かります。-100に近づいた場面でも同じく、底値圏を形成し、価格が反発しています。
このようにRCIは買われすぎ、売られすぎの目安を示しています。
この為、RCIが買われ過ぎの水準に近ければ、他のテクニカル指標で買いシグナルが出ていたとしても、見送ることを考えたり、反転の兆しがあれば売り場を探したり、もし手持ちポジションがあれば利食いを検討する必要があります。
水準を超えた時に逆張り
RCIの使い方の中で一番有名なのが一定の水準を超えた時の逆張りです。
RCI +80以上になった時に売り
RCI -80以下になった時に買い
このように一定の水準を超えた時に逆張りすれば、高い確率で天井や底付近でエントリーすることが可能です。
ただし、強い上昇トレンド、下落トレンドが発生した場合、RCIが高値圏、安値圏に張り付き続け、価格も一方向へ動き続けるケースがあります。
もし、逆張りエントリー後、価格が反転する兆しが無ければ大損となる前に損切りを検討する必要があります。
反転からの順張り
RCIが一度、買われすぎ、売られすぎ水準を越え、その後の反転を確認し、順張り。
RCIの逆張りは「一方向へ動き続ける強いトレンド」が発生した時に大損を抱えてしまいます。対して順張りは、ある程度反転したことを確認してのエントリーなので、大負けする可能性が非常に少なくなります。
ただし、天井や底付近でエントリーできない為、利益は必ず少なくなります。
・リスクを取って大きな利益を取りに行く逆張り
・リスクを減らし小さな利益をコツコツ積み上げる順張り
どちらの使い方が優れているのか?相場の状況により異なるため決めることはできません。自身の好みや、描いているトレード像に応じて使い分けてきましょう。
複数のRCIのクロスによる売買
最後に紹介するのが複数のRCIのクロスによる売買です。
期間の異なるRCIを複数表示させ、RCI同士のクロスを売買シグナルとします。
この例では9日と26日のRCIを使い、26日RCIを9日RCIが上抜けば買いシグナル、下抜けば売りシグナルです。
RCIのクロスによる売買を採用たトレーダーはRCIを3本使ことが多い。
52日RCIが上昇トレンドの時、26日RCIを9日RCIが上抜いた時に買う。といったように大きなトレンドに沿って売買したいトレーダーに適しています。
ただし、RCIを複数表示させると次のデメリットと向き合う必要があります。
・シグナルが非常に見にくく、正確な判断が行いにくくなる。
実際に3本表示させたチャート例がこちらです。
RCI3本表示のチャート例
とっても、ややこしいでしょ?
個人的にはRCI3本表示は悪手だと判断しています。売買の判断はテクニカル指標のシグナルだけでなく、市場の雰囲気、流れ、出来高、ボラティリティなど様々な要素を総合的に加味する必要があります。ただでさえ複雑な思考をしていく中、RCI3本というさらに複雑な要素が加わった状態で、正確な判断ができるとは思えないからです。
RCIの使い方・見方まとめ
以上、RCIの基本的な5つの使い方・見方まとめでした。
- RCIの向きからトレンドを判断する
- 買われ過ぎ、売られ過ぎを判断する
- 水準を超えた時に逆張り
- 反転からの順張り
- 複数のRCIのクロスによる売買
さて、冒頭でも少し紹介した通り、私はRCIよりも、RSIを使うべき考えています。
これまでのRCIの見方・使い方を読み、「どうも腑に落ちない」、「なんか違和感を感じる」という方には、こちらの記事も読んでみて貰えればと思います。