GMMAとRCIの相性は非常に悪い。組み合わせても無駄
一部のFXトレーダーから反感を頂くことを覚悟しつつ、今回はGMMAとRCIの組み合わせはオススメしない。という話をしたいと思います。
GMMAとRCIの組み合わせ手法はオススメしない
先に結論部分を伝えると、GMMAとRCIの組み合わせは手法はMACDとRSIの組み合わせ手法の下位互換です。
GMMAを使ってトレンドを判断するよりも、MACDを使ってトレンドを判断した方が良いし、RCIを使って相場の加熱感を判断するよりもRSIの方が理に適っている。
あえて、MACDでなくGMMAを使う理由、RSIでなくRCIを使う理由が見当たらない。というのが理由です。
まず先に、ちまたで有名なGMMAとRCIの組み合わせ手法について、紹介し、その上でなぜ下位互換なのか?について解説していきたいと思います。
もし、興味を抱いてもらえればお手柔らかに、最後まで宜しくお願いいたします。
GMMAとRCIの組み合わせ手法とは?
上部青線・赤線:GMMA 下部赤線:RCI
Guppy Multi Moving Average:通称GMMA
Rank Correlation Index:通称RCI
どちらもMT4には未搭載のインディケータですが、視覚的に分かりやすく、またシグナルも扱いやすいということで、一時期ブームになったテクニカル指標。
この2つのテクニカル指標だけを使ったスキャルピング手法で専業トレーダーになった方もいるらしく、注目されている組み合わせです。
インディケータは様々な箇所で配布されている為、自身のMT4に簡単にインストールすることは可能。まず初めに個々のインディケータの特徴をまとめ、組み合わせることで、どのようなメリットがあるとされているのか?紹介したいと思います。
GMMAとは?特徴・メリット
GMMAは12本の指数平滑移動平均線(EMA)を使ったトレンドフォロー系のテクニカル指標です。EMAは通常の移動平均線と違い、間近の価格に高い比率を置いた平均線。この為、トレンドの変化をいち早く察知することが可能です。
ちなみにEMAはMACDにも使われており、両社の概念や、目指している方向は結構同じです。
そんなGMMAは2グループで構成されており、それぞれの設定は次の通り。
長期GMMA・・期間30・35・40・50・60の6本のEMA
短期GMMAと長期GMMAの位置関係からトレンドの方向を知り、またそれぞれのEMAの間隔からトレンドの強さを知ることが可能です。
GMMAの位置関係からトレンドの方向を知る。
短期GMMAと長期GMMAの位置関係から、現在のトレンドがどの方向を向いているのかを知ることができます。
上昇トレンド
長期線よりも、短期線が上に位置していれば上昇トレンドと判断。
下降トレンド
長期線よりも、短期戦が下に位置していれば下降トレンドと判断。
レンジ相場
短期線と長期線が交差し続けている状態をレンジ相場と判断。
GMMAの幅でトレンドの強さを測る。
また各GMMAの線の幅が広ければ強いトレンドが発生しているとし、トレンド継続を示唆。また幅が小さくなっていれば、弱いトレンドとなり、トレンド終了を示唆しています。
GMMAの売買手法
RCIを併用せず、GMMAだけで売買する場合、トレードルールは次の通り。
・短期GMMAが長期GMMAを上抜く=移動平均線のクロス
・長期GMMAが上昇トレンドの際、短期GMMAが長期GMAで反発し上昇
ぶっちゃけ、ただ単に複数の移動平均線を表示させた、複数の移動平均線クロスシグナル、有名な押し目買い・戻し売り手法。GMMAならではの明確な売買シグナルはありません。
GMMAがMACDの下位互換な理由
GMMAを表示すると、レンジ相場かどうか?トレンド相場かどうか?分かりやすいと言われています。
もし、トレンドフォロー系の売買手法を採用しているのであれば、いかにしてレンジ相場を避けるか?が肝になります。となると、相場を区別しやすいGMMAは非常に有用ではないだろうか?という答えに行きつく方も多い。良ければ3分時間を下さい。
GMMAで分かるレンジ相場
「長期GMMAと短期GMMAが交差している。つまりレンジ相場だね。」とGMMAを表示していると、GMMAのおかげで相場を区別することができた。と認識する方が多い。が、GMMAを表示させてなくとも誰でもレンジ相場だと判断できます。
GMMAなんて無くてもレンジ相場だと分かる。
このチャートを見て、トレンド相場だと判断する人はおそらくいないでしょう。これはトレンド相場でも同じ、GMMAが無くてもトレンド相場だと判断することは可能です。
ではもう1つのGMMAのメリット。線の幅の広さでトレンドの強さを測る点について。
ぶっちゃけ、目視で幅を測りつづけるのって無謀。特にスキャルピングといった短期売買であれば尚のこと無謀です。幅を正確に知りたいのであれば、MACDのヒストグラフを使うべきです。
MACDは2本の指数平滑移動平均線(EMA)の差をヒストグラムと呼ばれる棒グラフで表示することが可能です。
目視で幅を測るのではなく、正確な差をグラフで表示してくれる為、トレンドの強さを正確に測りたいのであれば、GMMAよりもMACDの方が優秀です。
ちなみにMT4に標準のMACDはヒストグラムが表示されないので、こちらでインディケーターを配布中です。
さて、GMMAについてはまだまだ弱みを語れるものの、既にかなり文字数を使ってしまいました。そろそろRCIの解説に移りたいと思います。
RCIとは?特徴・メリット
RCIはRSIと同じく、相場の加熱感を測るオシレーター系のテクニカル指標。
RCIは計算式に問題有り
RCIはオシレーター系のテクニカル指標でありながら、どれくらい上昇したのか?下落したのか?という値幅を計算に含めない為、RSIよりも加熱感を正確に計算することができません。
計算方法は少し複雑であり、全てを説明すると長文となる為、どのような違いがあるのかはなど、次の記事で解説しています。
RCIの使い方は5通り。
- RCIの向きからトレンドを判断する
- 買われ過ぎ、売られ過ぎを判断する
- 水準を超えた時に逆張り
- 反転からの順張り
- 複数のRCIのクロスによる売買
例えばRCIの向いている方向から上昇トレンド、下落トレンドを判断したり、
買われすぎ、売られすぎを判断したり、
一定の水準を超えた時に逆張りしたりします。
RCIの使い方は次の記事で詳細を解説中。ここでは簡単な紹介とし、もっと気になる方は、次の記事を読んで貰えればと思います。
使い方はRSIと大体一緒。だけど計算式に大問題有りなのがRCI。
GMMAとRCIを組み合わせた売買シグナル・手法
そんなGMMAとRCIの組み合わせた売買シグナルは次が有名。
GMMAで下降トレンド判断、RCIが買われすぎで売りエントリー
それぞれ見ていきましょう。
買いシグナル
GMMAで上昇トレンドと判断できたタイミングで、RCIが売られすぎとなった為、買いシグナル点灯。
売りシグナル
GMMAで下降トレンドと判断できたタイミングで、RCIが買われすぎとなった為、売りシグナル点灯。
なんだかめっちゃ上手く機能しているようなチャートですが、私が作為的・わざと選んだいい感じのチャートです。こんなに上手くいくチャートは実際は中々お目に掛かれません。
実際はこんな感じの場面が多い。
最初2回はGMMAで下降トレンドと判断できるものの、RCIのせいで売買は見送り。3回目はRCIでエントリータイミングが訪れるも、GMMAで売買見送り。はっきり言って、お互いの良さをお互いがかき消し合っている状態です。
そもそも、GMMAで強いトレンドが発生していれば、RCIが強い売られすぎを示すことは少ない。その逆も然りです。もし、両方のタイミングが揃ったなら、それこそ市場に何か変化が起きている可能性を疑うべきです。
GMMAとRCI まとめ
少し、足早にまとめてしまいますが、最後まで読んで貰えているのであれば「GMMAとRCIの組み合わせの怪しさ」を少しでも感じて頂けているのではと思います。
GMMAよりMACDの方が優れており、相場の加熱感はRCIよりもRSIの方が正しく測ることが可能です。
「GMMAとRCIの組み合わせ」という目新しさに惹かれ、信じ込む前に、正しい情報にもっと触れて欲しいなと思います。
当ブログでは様々なテクニカル分析について、脚色しない情報を提供しています。良ければ関連記事も読んでみて貰えればと思います。