75日移動平均線の使い方
時折見かける75日移動平均線。どうして75日移動平均線が使われているのか?どのような使い道があるのか?解説していきたいと思います。
ちなみに75日移動平均線は1ヵ月以上保有する中長期トレーダーが参考にする指標です。もし短期トレーダーであれば使うことはありません。
75日移動平均線の特徴
75日移動平均線はその名前の通り、75日間の終値を平均化した移動平均線です。
75日を月に直すと約3ヵ月間。3ヵ月というと企業の四半期決算と期間が一致します。つまり75日移動平均線は企業の四半期決算ごとの動向を確認するのに丁度良いとわかります。
もちろん為替取引の場合も同じ。例えば為替レートの動向に影響を与える「経済指標GDP」は四半期ごとに発表されており、3カ月間という中期的な動向を確認する場合、75日移動平均線はぴったりです。
75日移動平均線が上向きであれば、間近の決算発表は好感されている、地合いは上向きだと判断。
75日移動平均線の使い方・用途
そんな75日移動平均線にはいくつかの使い方があります。
25日と75日移動平均線の併用
75日が約3ヵ月だとすれば25日は約1ヵ月です。
もし、75日移動平均線を25日移動平均線が上抜ければ、中期的なトレンドが変化した可能性を疑う必要があります。
前四半期の決算内容が良く、上昇トレンドが形成している中、悪材料が発表されると株価が一時的に下落します。
これまで継続してきた中期的なトレンドを食い破るほどの悪材料なのか?これを25日移動平均線が75日移動平均線を下抜けたかどうかで判断することが可能です。
悪材料で一時期に株価だけ75日移動平均線を下抜けたとしても、一時的な下落に過ぎず、継続して下落するかは不透明です。その後25日間(一か月)の値動きを見ることで、その下落が本物であったのかどうか?確信をもってトレードすることが可能です。
とても慎重なトレード手法です。
この取引手法は1カ月間の様子見がある為、その間に驚くくらい価格が上昇(下落)してしまい、参戦できなくなってしまうこともあります。トレード機会を逃してしまうことも多々あるので、多くの銘柄を監視し続ける必要があります。銘柄の保有期間も1カ月以上が推奨です。
75日と200日移動平均線の併用
移動平均線の使い方の1つグランビルの法則。
このグランビルの法則で使う移動平均線の期間は200日です。詳細な説明は次の参考記事で紹介していますが「グランビルの法則×200日移動平均線」は相性が悪い組み合わせです。
これを補完する為の手法として、75日と200日移動平均線を併用し、クロスによる売買を行う方法があります。
75日移動平均線が200日移動平均線を上抜ければ買いシグナル
200日移動平均線は約9カ月です。75日移動平均線は約3ヵ月。
過去1年間業績が好調、株価も上昇していた銘柄。当然、200日移動平均線は上向きです。ただし、間近発表された決算内容は悪化。業績悪化は引き続き続くのか?株価は下落を続けるのか?株式市場はどのように評価するのか?知りたい。
そんな時は、200日移動平均線と75日移動平均線の組み合わせはぴったりですね。
ただし、この売買シグナルは日足なら1年に1度発生するかしないかという低頻度です。このルールを検証しようとするなら、100銘柄近く監視したり、シグナルが発生した銘柄を探したりする必要があります。
得意な銘柄のみ売買したいというトレーダーは採用すべきではありません。
75日移動平均線からの乖離率
最後が75日移動平均線との乖離率が高い銘柄を逆張りするという手法です。
このように75日移動平均線との乖離率が大きいと価格は反転する傾向があります。
どのぐらい乖離すればエントリー基準になるのか?これはその時の地合い、VIX指数、ボラティリティなどによって異なるため、一概に決めることは難しい。
もし興味がある人は移動平均線からの乖離を利用した売買手法について別記事にて詳しく解説しているのでそちらを参照してもらえればと思います。
75日移動平均線のまとめ
75日移動平均線は中長期トレーダーが参考する指標です。
一般的な使い方は3つ。
- 25日移動平均線とのクロス
- 200日移動平均線とのクロス
- 乖離率が高い銘柄を逆張り
どれも根幹となるファンダメンタルの裏付けもあり、機能する場面が見られます。
ただし、トレンドの転換を十分に確認してからエントリーする為、取引機会を逃してしまうことも多々あります。75日移動平均線は数多くの銘柄を監視できるトレーダーにオススメします。