移動平均線にはオススメの期間設定があります。
適当な期間だと、せっかくの移動平均線が全く意味の無い情報へと変化します。ここで移動平均線の期間設定の考え方、法則についてしっかり押さえていきましょう。
移動平均線の期間はどのように設定すべき?
移動平均線はその向きを見ることで、トレンドを確認するために使います。
移動平均線が横ばい → 現在はレンジ相場。
移動平均線が下向き → 現在は下落トレンド。
押し目であったり、グランビルの法則であったり、複数の移動平均線のクロスを利用した売買であったり、乖離率を使った逆張りなど応用した使い方があるものの、基本は移動平均線の向きからトレンドを見るために使います。
これが移動平均線の王道の使い方であり原理原則。
応用した使い方は基本からの発展系です。
これを踏まえると、移動平均線の期間は商習慣上でも利用されやすい一般的な区切りを設定するのが理に適っていると考えられます。
例えば1年間の平均価格、6か月の平均価格、3か月の平均価格、1か月の平均価格、1週間の平均価格、1日の平均価格・・・・。といった具合ですね。
移動平均線の期間は区切りで考える
各時間足別、区切りの良い移動平均線の期間をまとめると次の通り。
期間/時間軸 | 週足 | 日足 | 1時間足 | 5分足 | 1分足 |
1年 | 48 | 250 | — | — | — |
6か月 | 24 | 125 | — | — | — |
3か月 | 12 | 57 | — | — | — |
1か月 | 4 | 28 | 672(140) | — | — |
1週間 | — | 5 | 120(25) | — | — |
1日 | — | — | 24(5) | 288 | — |
2時間 | — | — | — | 24 | 120 |
1時間 | — | — | — | 12 | 60 |
30分 | — | — | — | 6 | 30 |
※祝日加味、1週間の営業日を5日として計算
※()内は株式市場の場合
こうしてみると、それぞれの時間足で共通して出現している期間が存在することが分かります。出現率が高いのは太字にしてある5日前後、25日前後、50日前後、120日前後の4つですね。
つまり、オススメの移動平均線の期間は5日前後、25日前後、50日前後、120日前後です。
実際、各チャートで使われている移動平均線も上記期間がよく利用されています。
もしどの期間で移動平均線を使えばいいのか迷うなら、基本に乗っ取り、一般的に使われている期間がオススメ。
移動平均線の期間に迷いすぎるのは×
私はトレード初心者の時、移動平均線の期間について限りなく正解に近づこうと努力し、「20日移動平均線と25日移動平均線。どっちが優れているのか?」といった悩みを抱えることがありました。
今となっては恥ずかしい過去です。
何年もの間システムトレードだったり、エクセル検証であったり、様々な取り組み行った結果の私の結論では「移動平均線の期間について迷いすぎるのはダメ」です。
先にどんな検証を行ってきたのか、1つだけ紹介したいと思います。
移動平均線の期間について検証
これは移動平均線をもとにしたテクニカル指標であるMACDのパラメーター等の考察を行った生地です。内容は「どの期間同士の組み合わせならゴールデンクロス、デッドクロス等が一番機能するのか?という問題を、システム的に総当たり検証した」というものです。
全3記事ぐらいの構成なので読むと長い。結論のみ紹介すると
移動平均線のクロスを利用し、決済は反対シグナルで行う「ドテン売買」であれば期間60:86:4という組み合わせが儲かり、エントリーと同時に利食い注文、損切り注文を出す場合は期間10:60:4という組み合わせが儲かりました。
何が言いたいのかというと、決済ルールによって、最適な移動平均線の期間は全く違うということです。
いつ、どのようなタイミングで決済するかは、トレーダーによって全然違います。
エントリーのタイミングに使用する移動平均線の期間だけを論点に、どの期間が一番儲かるのか考えるのはナンセンス。
重要なのはエントリーに使う移動平均線の期間と決済手法との相性です。
いかに良い移動平均線の期間を設定しようと、決済に使うルールがダメだと、まじでダメダメです。それでももし、期間にこだわるならシステムトレーダーに転向するのも検討すると良いでしょう。
ちなみに私の移動平均線の期間は25日のみ
そんな私はというと、参考にするのは期間25の移動平均線のみです。
あまり複数の線を表示させるとチャートがごちゃごちゃして見にくいですし、日足なら間近約1ヵ月、1時間足なら約1日、5分足なら約2時間とどれも区切りの良い期間です。
また、かの有名なBNFも移動平均線の期間は25日を使用していたりします。
オススメの移動平均線の期間設定まとめ
移動平均線の期間は区切りの良いものを使用しましょう。
押し目、グランビルの法則、複数の移動平均線のクロス売買、乖離率を使った逆張り、サポート、レジスタンスといった応用的に使う場合も、原則は変わりません。
各時間足別、区切りの良い移動平均線の期間をまとめ
期間/時間軸 | 週足 | 日足 | 1時間足 | 5分足 | 1分足 |
1年 | 48 | 250 | — | — | — |
6か月 | 24 | 125 | — | — | — |
3か月 | 12 | 57 | — | — | — |
1か月 | 4 | 28 | 672(140) | — | — |
1週間 | — | 5 | 120(25) | — | — |
1日 | — | — | 24(5) | 288 | — |
2時間 | — | — | — | 24 | 120 |
1時間 | — | — | — | 12 | 60 |
30分 | — | — | — | 6 | 30 |
※祝日加味、1週間の営業日を5日として計算
※()内は株式市場の場合
もし、複数の移動平均線を使う場合、こちらの表を参考にしつつ決定すると良いでしょう。