✔ボリンジャーバンドは意味が無いんじゃないの?と考えている。
✔ボリンジャーバンドで勝つことができない
そんな、テクニカル分析の一つ「ボリンジャーバンド」に疑問を感じている人に朗報です。
ボリンジャーバンドは使えない。使いにくいテクニカル分析であることについて解説いたします。
株やFXで利用者の多いボリンジャーバンドだけど・・。
はい。どうもこんにちは。今日のテーマはボリンジャーバンド。
✔ボリンジャーバンドは勝てない
✔ボリンジャーバンドは意味ない
と、感じているのであれば私の記事がオススメです。
どうしてそのように感じてしまうのか?またその疑問を確信へと変えることができるでしょう。
もちろん私はボリンジャーバンド反対派。株やFXなどで使うことを推奨していません。
ボリンジャーバンドの±2σ内に約95%がおさまるのは嘘
ボリンジャーバンドの使い方として、2σへのタッチした時に逆張りするという手法が有名dすよね。丁度次のようなトレード画像です。
青丸部:2σへのタッチで逆張り売りエントリー
この手法が有効だとする根拠の一つが「±2σ内に約95%の価格が入る」です。
まず初めの間違いがコレです。約95%も入りません。私が実際に調査した所、87.3%でした。
ボリンジャーバンドは移動平均線に標準偏差(σ)を反映させることで、上下±2σのバンドを作り出しているテクニカル指標です。統計的には±2σ内に約95%入るらしいですが、入りません。
期間:2010年から2019年11月末
通貨ペア:ドル円 1時間足 約6万1000本分
パラメーター:ボリンジャーバンドの期間は20本
(高値>+2σとなった数+安値<-2σとなった数)÷高値安値共に±2以内の数
ちなみに上記とは少し期間は異なるものの4時間足で調査した場合87.3%、日足で調査すると88.5%でした。
どう考えても、±2σ内に約95%入るデータが得られそうにありません。
なぜそうなったのか?おそらく正規分布の形が影響しているからだと思います。
「ボリンジャーバンドはとっても使えるテクニカル指標だよ~」っと紹介しているサイトの多くは上の図のような画像を使い、いかにも±2σ内に95%の値が入るよ。という説明をされているのを見ます。
が、実際の金融市場の値動きはこのような正規分布にはなりません。
本来の図はこんなイメージです。
なので95%以上の確率でバンド内におさまることを狙った逆張りトレードは失敗します。
でも、±2σ内に87%もおさまるのであれば、それだけでも良いトレード手法ができそうな気がする。まだ逆張り手法が使えないという材料としては弱いんじゃないのかな?
ぐぬぬ。確かにこれだけではボリンジャーバンドが使えない。という証明にはなりませんよね。それではさらに掘り下げて検証を続けていきましょう。
ボリンジャーバンドの±2σタッチからの戻り確率はたったの35.2%
では±2σにタッチした後の価格の動きを調査してみましょう。
もし、±2σにタッチした後、87.3%の確率で本当にバンド内に価格が戻るのであれば、有効なテクニカル指標だと言わざる負えませんが、実際はどうなのでしょう?
という調査です。
ではボリンジャーバンドの±2σにタッチした後、どれくらいの確率で値が戻るのか?先ほどと同じ条件で検証した結果がこちらの画像です。
1回目にバンドの±2σにタッチした後、次の足もタッチしている確率は64.8%でした。つまり、2本目で反発する確率はたったの35.2%しかありません。
さらに3本目の足がタッチする確率も68.7%です。以降8本目までの確率は50%を越えている為、一度バンドにタッチした後は、続けてバンドにタッチし続けるような状態となる確率の方が高い。ということです。
チャートでいうとこんな状態ですね。
ボリンジャーバンドはレンジ相場で有効と聞くが・・・?
でも、レンジ相場なら強い動きが発生しないからボリンジャーバンドは有効に機能するよね?
ぐぬぬ。次はそうきますか・・。
このレンジ相場で有効では?という問いを覆すのはとても難しいですね。
でもそもそもレンジ相場であればストキャスティクスやRSIといったオシレーター系指標が本領を発揮する場面ですよね。
あえて、ボリンジャーバンドを使わなければいけない理由が出てこないと思います。
既に95%以内におさまる。という話や、バンドにタッチした後に値がバンド内に戻る確率は35.2%しかないという調査結果があります。
この結果を踏まえると、ボリンジャーバンドをレンジ相場で使うメリットが無いように感じます。
さて、ここで一度趣向を変えて、ボリンジャーバンドは逆張りでなく、順張りトレードは有効なのか?
こちらについて検討していきましょう。
ボリンジャーバンドのバンド・ウォークは使えるの?
ボリンジャーバンドの順張り手法として有名なのがバンド・ウォークです。
②バンドが拡大(エクスパンション発生)
③σ2にタッチした方向で順張りエントリー → バンドウォーク手法
この手法はボリンジャーバンドの開発者であるボリンジャーが推奨している手法です。
ボリンジャー自身によるボリンジャーバンドの解説書「ボリンジャーバンド入門:相対性原理が取り明かすマーケットの仕組み」でもそのように解説されています。※お値段約6400円。ちなみに購入して読破済み。
バンドウォークは、レンジ相場での逆張り手法と比べると毛が生えたぐらい有効です。
結論から言うと「レンジ相場での逆張り手法と比べると毛が生えたぐらい有効」です。つまり、対して使えない手法だということです。
バンドウォークが有効だと解説している方の多くのロジックは次のようなものです。
この大きなトレンドに乗っかることのできるバンドウォークは優れた順張り手法である。というものです。
なんとなく読み流していると、「うん、うん」そうだよね。って受け取ってしまいがちです。でもよくよく考えてみると『バンドの縮小=力を溜めている期間』というのは本当?といった疑問が生まれます。
いくつか生まれた疑問と真実を一つ一つ解説していきます。
バンドの縮小=これから大きなトレンドが発生するではない。
そもそもバンドが縮小しているのはただ単に、値動きが乏しくボラティリティが低い状態にあるだけです。バンドが縮小した後、大きなボラティリティを伴ったトレンドが発生する確率が高いことにはなりません。
一時的にボラティリティが減少すると、バンド幅が狭まり、バンドウォークが発生しやすい状態になります。
そうなると、これまでのレンジ範囲内であってもσ2へのタッチ、エクスパンションが発生し、バンドウォークのトレードシグナルが発生することになります。
バンドの縮小=力を溜めている期間ではない
ボリンジャーバンドのバンドが狭くなったスクイーズ状態。この状態は相場が力を溜めている期間であると紹介されていることをよく見ます。
そもそも、力を溜めているとはどういった状態なのでしょうか?
・エントリーしたものの、方向感ない相場の為、利食い損切り時期を待っているトレーダーが増えている状態
もしこのような状態であれば、確かに「力を溜めている期間」かもしれません。
何かのきっかけて一方向へ価格が強く動けば、ブレイクアウトトレーダーが参入したり、損切り注文を巻き込んで大きなトレンドが発生することも考えられます。
ただし、「バンドが縮小」という現象にはもう一つの可能性があります。それは材料に乏しく、出来高が少ない為、価格が動かない。力が抜け落ちている期間という可能性です。
単純に、トレード材料も無く、平和な時間・日はボラティリティに乏しく、ほとんど値動きがありません。なので、バンドが縮小=力を溜めている期間と断定することはできません。
力が抜けおちている期間での順張りは成功しません。
不規則に上下へ価格が動く可能性が高い為、もし損切りポイントを間近に設定していれば損切り貧乏となります。かといって大きく損切りポイントを設定すれば、その方向へトレンドが発生してしまった時に大きな損を抱えてしまいます。
よって、バンドの縮小時にエントリーするバンドウォークはとても不安定な取引手法です。
【検証】ボリンジャーバンドは使えない・勝てない・意味ないのまとめ
・±2σにタッチしてから反発する確率は35.2%。約65%の次の足も±2σへタッチ。
・ボリンジャーバンドの元になっている正規分布は金融市場では当てはまらない。
・レンジ相場狙いなら他に優秀なオシレーター系テクニカル指標がある。
よって、ボリンジャーバンドの逆張り手法は使えない・勝てない・意味がないと考えています。
・バンドが縮小すると、これまでのレンジ範囲内でも±2σにタッチしてしまう。
・バンドの縮小=力を溜めている期間ではない。力が抜け落ちている期間
よって、ボリンジャーバンドの順張り手法は使えない・勝てない・意味がないと考えています。
ただし、これら検証結果や考察はあくまでボリンジャーバンド単体で使った場合です。複数のテクニカル指標と組み合わせて使う場合、また違う結果になります。