スキャルピングにボリンジャーバンドが使える?
そんな書き込みや記事を見たり、会話を聞くことがありますが特定の場合を除き、ボリンジャーバンドはスキャルピングで使えるどころか、邪魔であると考えています。その理由について紹介していきたいと思います。
スキャルピングにボリンジャーバンドは使えない。
なぜ?スキャルピングにボリンジャーバンドが使えないのか?これはボリンジャーバンドというテクニカル分析の性質が深く影響しています。
まず初めに、ボリンジャーバンドは単体では非常に弱いテクニカル分析です。
ボリンジャーバンドにはσタッチからの逆張り手法、バンドエクスパンションからの順張り手法という2つの有名な取引手法があります。
が、それぞれ次のような弱点を持っている為、ボリンジャーバンド単体で使うことはオススメしていません。
・バンドの±2σ内に価格がおさまる確率は95%ではない。87%程度。
・±2σにタッチしてから反発する確率は35.2%。
・バンドが縮小したからといって、次に大きなトレンドがくるとは限らない。
・バンドが縮小すると、これまでのレンジ範囲内でも±2σにタッチ。
詳しくは次の記事で紹介しています。
よって、ボリンジャーバンドの逆張り、順張り。どちらも使う場合は他のテクニカル指標と合わせて使い、ダマし、偽のシグナルを避けつつ売買する必要があります。
例えばRSIとボリンジャーバンドを併用した手法が有名です。
・ボラティリティから分かる加熱感
・値動きの比率から分かる加熱感
RSIとボリンジャーバンドを併用することで、「2つの加熱感から、相場の行き過ぎをより正確に測り、逆張り手法の精度を高める」ことが可能になります。
とはいっても、さすがにスキャルピングとボリンジャーバンドは非常に相性が悪い。実際のデータを見てみましょう。
ボリンジャーバンドでスキャルピングした結果
下図はMetatrader4を使い、ボリンジャーバンドでスキャルピングした時の資産推移テスト結果です。
トレードルール:±2σで逆張り、中心線抜けで決済。
通貨ペア他:ドル円1分足 2020年8月~9月の2か月間売買
資産:$10000→約$9980へ減少。
取引回数:895回 勝率61.68%、負率38.32%
※全ての売買データ、詳細はこちらのページに画像データで置いています。
この取引手法は丁度次のような取引です。
青丸部で逆張り売り。決済は中心線
よくあるボリンジャーバンドの逆張り手法ですね。
こんな方法でスキャルピングしても資産は増えるどころか、順調に減少してしまうことがデータで確認できました。
とはいっても、ある条件化であれば、スキャルピングでボリンジャーバンドの逆張り手法も有効となります。
ボリンジャーバンドでスキャルピングするなら日中に取引
ボリンジャーバンドをスキャルピングで使うなら日中のみ使用し、夕方以降は使ってはいけません。
というのも、先ほどの検証結果を取引時間別に損益を集計すると次のようになります。※未集計の全取引データはこちらのページから確認することができます(1MB画像)
このように時間帯別の損益を確認すると、日本時間11時~16時頃が比較的プラスに推移していることが分かります。
対して17時以降は取引してもマイナスばかり。スキャルピングでボリンジャーバンドを使わない方が良いと、はっきり分かります。
これは外国為替市場の特徴に原因があります。
外国為替市場は夕方以降に大きなトレンドが発生しやすい。これは各通貨ペアの値動きを分析しても分かります。
よってボリンジャーバンドを使った逆張りスキャルピングを行う場合、日中のみ使い、夕方以降は別のテクニカル指標を使う必要があります。
夕方以降のスキャルピングはボリンジャーバンドではなく他のテクニカル指標を使いましょう。
どんなテクニカル指標を使えばいいのか?というと、人それぞれの好みなどもあり一概に紹介することは難しい。
そこで下記関連記事でも、スキャルピングについて様々紹介しているので良ければ参考にして貰えればと思います。