今日のテーマはPTS(夜間取引)の出来高。
取引所が閉まっている時間でも株を売買できるPTS。一応出来高情報が見れるものの、どういった感じなのか?取引所の出来高と比較しつつ、PTSの出来高について紹介したいと思います。
まず初めにPTSについて簡単におさらいしましょう。
PTS(夜間取引)とは?
PTSは夜間でも株を売買できるように作られた私設取引システム。
株は通常夕方15時が最終取引時刻ですが、PTSなら16時30分~23時59分まで取引が可能です。この為、日中が仕事で株取引できない人でも、夜間に取引が可能というメリットがあります。
PTS(夜間取引)で売買された出来高。
例えば次のサイトで公表されています。
ほぼリアルタイムな出来高が見たいならモーニングスターですが、株価チャートなどが見れないため不便。SBI証券は30分更新の出来高ですが、株価チャートが見れる。どちらも一長一短ありますが、私はSBI派です。
PTSの出来高を見てみる
では次にPTSの出来高ってどんな感じで表示されるのか?実例を見てみましょう。
これはとある日のPTS出来高ランキング(16時30分~20時30分)です。
出来高1位のGFAは株価チャートと、PTS出来高推移は次の通り。
日中の株価と出来高チャートと大体一緒ですね。
寄り付き時や、天井、底値付近では出来高が増加するという特徴も同じなので、PTSだからといって、出来高の特別な取扱いは不要、日中の出来高と同じように使えばOKだと分かります。
が、使えるのは出来高ランキングせいぜい上位10位ぐらいまで。ランキング下位になればなるほど、株価も飛び飛び、当然、出来高も非常に少ないです。
例)PTS買い出来高ランキング13位 レカム
出来高ランキング13位でこんな状況です。出来高が少なすぎるので、トレンドの傾向、天井や底を狙うのは非常に難しい。
これはそもそも、PTS自体、取引所取引と比べるとシェアが非常に小さいのが理由です。
証券会社が取引所のシェアを奪う? 実は超競争業界の「証券取引所」 (1/3)
両社の合計売買代金は実に4兆1343億円にもなる。これは、東証の19年10月における合計売買代金61兆6640億円に対し、約6.7%のシェア
2019年のPTSのシェアは対東証比で6.7%のシェア。
PTSの取引時間は約7時間30分もあるのに対し、日中は5時間しかありません。
このようにPTSは時間が長いにも関わらず、シェアが小さい。だから出来高といった情報が利用しにくいという状況に陥っています。
どんな時にPTSの出来高をチェックする?
私は翌日に売買する銘柄のスクリーニング時にPTSの出来高をチェックします。
いわずもがな、株式市場閉場後、PTSで多く売買されている銘柄は明日も引き続き注目される可能性が非常に高い。
もし、短期売買主体であれば、寄り付き時にどのような売買をすべきか?参考にすることもできます。
また少し話がソレてしまいますが、PTSの出来高上位の銘柄には、ストップ高張り付きで、ザラ場中にほとんど売買することができなかった銘柄がランクインすることが多い。
今回紹介したPTSの出来高ランキング1位のGFA。3日連続ストップ高張り付きで、ザラ場中はほとんど出来高が発生しなかった銘柄です。
が、PTSではまとまった売りが結構出ており、張り付き状態解除。商い成立。出来高増という光景が見られました。
ストップ高、もしくはストップ安でザラ場中に売買できなかった銘柄も、PTSでなら約定することがあります。
以上、あまり使う頻度が少ないですがPTSの出来高についての解説でした。