RSIの計算式を解説
今日はオシレーター系テクニカル指標の代表格「RSI」の計算式を分かりやすく解説していきたいと思います。前置きは省略し、早速行ってみましょう。RSIの計算を自分でできるようエクセルも配布しています。
RSIの計算式とは?
RSIの計算式はこの通り。
RSIはn日間の上昇幅合計÷(n日間の下落幅合計+上昇幅合計)で計算できます。
上昇幅は基本的に終値を使います。よって、前日の終値<当日の終値であればその差を上昇幅として扱い、前日の終値>当日の終値であれば、その差は下落幅として扱います。
例)期間を14日、RSIの値を計算。
過去14日間の下落幅合計 20円
RSI=200÷(200+20)×100= 90.9
→特に買われすぎの状態
と、いうように計算することができます。
ただし、上昇幅、下落幅を合計値でなく、平均値で計算すると解説しているサイトもあります。
RSIを平均値で計算する
RSIを合計値で計算するのか、平均値で計算するのか?
そもそも計算結果に違いが出るのか、エクセルで試しに計算してみた所・・・。
どちらも計算結果は同じ。特に違いを意識する必要はありません。
RSIのエクセル配布、ダウンロード
RSIをエクセルで計算したい場合、下記のファイルを利用下さい。
エクセルの画面例
計算したい日付、始値、高値等のデータを貼り付けるだけで、RSIを自動的に計算することが可能です。またRSIの期間も自由に変更することが可能です。
さてここから先は少し踏み込んだ内容、RSIの計算式から分かる弱点・デメリットについて解説していきたいと思います。
RSIの計算には終値しか使わない
RSIの計算には終値を使用します。この為、RSIは高値・安値の値が全く影響しないという特徴を持ちます。これが最大の弱点です。
RSIの値の計算は前日の終値-当日の終値の差を用います。
何が問題なのか?次の図を見れば気が付きます。
これがRSIの計算式に潜む弱点、問題点です。
よって、RSIを使う場合、取引する市場によっては計算式を見直すことをオススメします。
株でRSIを使う場合、計算式はそのままでOK
RSIを株で使う場合、高値安値が考慮されていない、デフォルトのRSIの計算式で問題ありません。
というのも、株取引できる時間帯は限られており、取引時間中に相場を大きく動かす材料は基本的に発表されないからです。
決算発表や業績修正などは株取引が終えた時間に発表されます。
その結果、株価チャートのロウソク足にイレギュラー的な高値、安値は表れにくいという傾向があります。
なので、株なら高値安値を考慮しないデフォルトのRSI計算式で問題ありません。
FXでRSIを使うなら計算式を変更すべし
FXは優れたチャートソフトが無料で流通しているので、RSIの計算式の変更は簡単。
例えばMetaTrader4なら次のようにRSIの計算式を変更することができます。
RSIのプロパティーを開くと、RSIの計算に使用する適用価格を選ぶことができます。
Open ・・・始値
Hight ・・・高値
Low ・・・安値
その他、Median Price、Typical Priceなど、
これでRSIの計算に使う価格を変更し、高値ベースで計算するRSIであったり、安値ベースで計算するRSIを表示することが可能です。
RSIの計算式を変更した場合の描写比較
それでは、RSIの計算式を終値ベースでなく、高値ベース、安値ベースに変更すると、どのような違いが生まれるのか?
チャート画像を比較してみましょう。
さて、このRSIの計算に使う価格の変更は、トレードソフトによっては使うことができません。そんな時は終値ベースで計算しているRSIでも、”目視”で微修正してあげればOK。慣れれば結構簡単です。
RSIの計算式を解説【エクセル配布有】 まとめ
RSIの計算式はこの通り。
合計値で計算しても、平均値で計算しても結果は同じ。
基本的には上昇幅、下落幅は終値を使って計算するものの、それが弱点・デメリットとなっています。状況によっては高値ベース、安値ベースのRSIを使うことで、正確に相場の加熱感を知ることが可能です。
この他、RSIについては様々な研究、取り組み結果を関連記事にまとめています。良ければそちらも読んでみて貰えればと思います。