FXは時間帯によって値動きが全く異なります。
デイトレードやスキャルピングをするのであれば、FXの時間帯別の特徴を押さえるのは必須。〇時から〇時の間は逆張り手法は悪手など、時間帯によってどんな取引手法が有効なのか変化します。ここではFXにおける時間帯別の特徴からどんな取引手法が有効なのか?具体的に解説をしていきたいと思います。
FXにおける時間帯別の特徴
FXは基本的には銀行によって維持されている市場です。
日の出の早いニュージーランド、オーストラリアの銀行勢から取引が始まり、日本、中国、ドイツ、欧州、アメリカへと移っていきます。
時間が移り変わるごとに、市場の参加者が変わるため、時間帯によって値動きが大きく変化します。
時間帯別の値動きの特徴まとめ
これは1時間で何銭動いたのか?ドル円の時間帯別値動き量をまとめたグラフです。
パッと見て分かる通り、高い値動きを記録する時間帯、あまり値動きのない時間帯があることが分かります。値動きの大きさも踏まえつつ、各時間帯別の特徴を紹介したいと思います。
オセアニアタイム(5時~9時)の特徴
早朝は5時~9時ぐらいまではニュージーランドドル、オーストラリアドルといったオセアニア通貨が活発に取引されるオセアニアタイムです。
取引に参加している国の数が少なく、また取引量も小さい為、比較的おだやかな値動きです。
その性質上、価格がどちらか一方へと動き続ける強いトレンド相場が形成されにくい為、MACDや移動平均線を使った順張り手法は通用しにくい時間帯です。
オセアニアタイムで取引する場合、レンジの上限、下限を狙った取引や小さな値動きをコツコツ稼ぐ取引手法が効果的です。
ただし、オセアニアタイムは全体の取引量が少ないため、FX業者によってはスプレッドが広がり、取引コストが高くつく場合があります。
オセアニアタイムで稼ぐコツは早朝でもスプレッドが広がらないFX業者、もしくはスプレッドが固定されているFX業者を使い、レンジ狙い、小さな利益を狙うのが基本戦略。
アジアタイム(9時~15時)の特徴
9時から15時までの時間帯は円や元、シンガポールドルといったアジア通貨が良く取引されるアジアタイム。
オセアニアタイムとは打って変わり、日本、中国、シンガポールとGDPランキング上位国が取引に参加する為、一気に値動きが活発となる時間帯です。
特にドル円は21時~24時ごろのカオスタイムに次いで取引が活発となる時間帯。主婦や学生、また平日に休みが取れる会社員であれば積極的に取引に参加するのも一つの手です。
9時55分頃は日本の銀行が外貨交換などに使用する基準レート「仲値」を決定します。この為、9時30分~10時30分前後は日本企業の外貨需要に合わせて積極的な売買が行われます。
特にゴトー日と呼ばれる毎月5日、10日、15日、20日、25日、30日のように5と10の付く日は、輸入企業のドル需要が高まり、円安に動きやすいと言われています。
アジアタイムの10時前後は企業の資金需要に合わせて為替レートが一方向へ強く動くことも。動く方向を予想した順張り、また動き切った後の反発狙いの逆張り手法と有効な取引手法は様々あり。バラエティに富んだ取引機会を提供してくれる為、積極的に売買したい時間帯です。
またアジアタイム中のプレイヤーも日本人の比率が高くなるので、日本全体の雰囲気と相場の動きが一致しやすいという特徴を持ちます。
FX初心者にもオススメしたい取引時間です。
欧州タイム(15時~21時)の特徴
15時から21時頃はユーロやポンドが中心に取引される欧州タイム。ドイツ、また金融立国であるイギリスが参加してくる時間帯の為、投機的な売買が増えてくるという特徴を持ちます。
その日1日のトレンドを決定させるような大きな値動きが形成されることも多く、夜間に売買するトレーダーであっても、欧州タイムはどのような値動きをしたのか?何かニュースがあったのか?チェックする必要があります。
また各種経済指標の発表も多い時間帯の為、指標発表前後を狙った指標スキャルの取引機会も多い。
欧州タイムの値動きは17時がピーク。17時に向けて作られたトレンドはそのまま夜間まで維持されるか、17時で反発するのかの2択となる傾向です。
レンジ狙いで逆張りするか、トレンド狙いで順張りするのか判断が難しい場面もあるので、中級者向けの取引時間です。
取引する通貨ペアはユーロドル、ユーロ円、ポンドドル、ポンド円といった欧州通貨含まれるものが望ましい。
ユーロドルといった欧州通貨の動向が先行して相場を作り、それがドル円の為替に影響させます。
欧州タイムの主役である通貨ペアを選択するのが、正しい相場観をつかみ取るコツです。
カオスタイム(21時~24時)の特徴
21時になるとアメリカ、カナダといった米国勢が市場に参入します。まだ欧州勢も為替取引に参加している時間帯のため、米国勢と欧州勢の殴り合い相場が形成されるカオスタイムと呼ばれています。
この時間帯は世界が注目する米国の経済指標が発表されたり、FRB(米国中央銀行)の政策が発表されたりと、長期的な為替相場の方向性に強く影響を与える出来事が多発します。
世界中のトレーダーが相場観(円安になる円高になるといった予想)の見直しを迫られることも多く、急激なトレンド変化、急激に円高になったと思えば円安になったりと方向感が全く定まらないカオス(混沌)とした相場が発生しやすい。
非常に大きな値動きが発生する為、スキャルピング、デイトレーダーといった短期売買主体のトレーダーにとって一番稼ぎやすい時間帯となるものの、安定して勝ち続けるにはそれなりの努力が必要。
カオスタイムはしっかりとした勉強と対策を積んで挑むべき時間帯。できるならFXに慣れない間は避けることをオススメします。
米国タイム(24時~5時)の特徴
24時を過ぎると欧州勢が市場から退場し、米国が中心に相場を作る米国タイム。
値動きも落ち着きはじめ、カオスタイムに発表された出来事を市場に織り込み始める時間帯です。
時間が早朝に近づくにつれ、値動きは小さくなるという特徴を持つため、24時ごろにエントリーし、朝方にポジションを決済するのも1つの手。
早起きしたり、夜更かしするのは体調的にも負荷がかかるため、時間指定でポジションの決済ができるようなFX業者で口座を開設していると便利。
21時~24時のカオスタイムの間に極端な円高、円安が発生していると、米国時間で短期的な揺り戻し、反発が起きます。
この為、短期的な戻りを狙って逆張りし、朝方に決済するという手法を積極的に狙っていきたい時間帯です。
相場に強く影響を与える出来事が無かった日は、終始レンジ相場で終えることも多いという特徴を持ち、急激なトレンド変化も発生しにくい為、個人的にはアジアタイムに次いで初心者にオススメしたい取引時間です。
FX初心者におすすめの取引時間帯
時間帯別の特徴でも紹介した通り、FX初心者におすすめの取引時間帯はアジアタイム(9時~15時)、米国タイム(24時~5時)です。
稼げる金額ではなく、勝ちやすさに焦点を当てる場合はこの2時間帯です。
1日を通して見れば高い値動きではない為、大きな勝ち、利益は望めないものの、想定できない動きが起こることが少なく、各種テクニカル指標のシグナルも正しく機能しやすい。
経済の成り行きから相場を見通すファンダメンタル分析ではなく、テクニカル分析により相場を予測しやすい時間帯というもの、初心者におすすめの取引時間である理由の1つ。
投機筋が参入してくる欧州タイム(15時~21時)から段々と取引難易度が上がり、カオスタイム(21時~24時)になるど、各種経済指標も読めるレベルの上級者でないと安定して勝ち続けるのは難しい。
中にはテクニカル分析1本で勝ち続けるFXトレーダーもいる為、勝ち方は確かに存在しているだろうものの、初心者が自身のモノにするには時間が必要です。
欧州タイム(15時~21時)ならまだしも、家庭や仕事の事情により、21時~24時の間しかFXができない人はしっかり勉強を行ってから取引をしましょう。
もしくはスキャルピングといった短期売買ではなく、ポジションを数日保有するスイングトレードから経験していくのがオススメです。