FXでRSIの売買手法は通用するのか?
RSIがFXで有効。そんな話をよく聞きますが、リアルなデータは公開されていないことが多い。そこで自分でプログラムを組み、RSIの売買手法が有効なのかどうか?実際に検証してみました。結論から言えば資産を倍化させる売買手法はある。という結果。では早速行ってみましょう。※検証に使用したEA(自動売買)も最下部で配布中。
RSIの売買手法、これまでの検証結果
前回、RSIの順張り手法は有効なのかどうか?という検証を行いました。
その結果、順張り手法よりもRSIが買われすぎ70に到達した時点で売る。というような逆張り手法が有効だというデータが得られました。※詳細は前回の記事参照
前回はFXのドル円 日足で検証しましたが、他の時間足ならどのような結果となるのか?
今回はドル円の日足、1時間足、1分足でどんなRSIの売買手法が機能するのか?検証していきたいと思います。
売買手法はシンプルに次の通り。
- RSIが70で売り、30で買うという逆張り手法
- エントリーと同時に指値注文、逆指値注文を発注
- FXでドル円を売買(日足、1時間足、1分足)
- RSIのパラメーターは基本の14
- 最大ポジションは1単位。ナンピン等はしない。
- 検証期間は2000年から2019年の19年間
- MetaTrader4のEA(自動売買)を使用しバックテスト
以上のルールに基づき、一番儲かる指値注文、逆指値注文の幅を調査し、尚且つどのような資産推移となったのか?をまとめます。
FXでRSIの売買手法が有効なのか?再検証
早速、日足から順番に調べていきます。
日足でRSIを使ったスイングトレード手法
前回の記事ではドル円の日足なら
ストップロスを200pips、リミット注文は450~600pips。
ストップロスを300pips、リミット注文は300pips。
という値にするとトレード結果が安定しており、その中でもストップロス注文を100pips、リミット注文を550pipsとした場合が優秀だと紹介していました。
この時の資産推移は次の通り、資産は約1.35倍になりました。
また前回は未紹介ですが、損大利小のトレードであれば次の値が優秀です。
ストップロス注文 650pips、リミット注文 300pips
こちらは資産が1.58倍に増えています。
なぜこのようにストップロス注文を大きく取った方が成績が良くなるのか?これには理由があります。
幅の小さいストップロスを使用すると、ストップロスに掛かる→RSIが70以上の為売り→ストップロスに掛かる→再度売り。と、売買が繰り返し行われ、結果的に損失を膨らませてしまいます。
この連敗を裁量で避けることができれば(トレードを一時停止する等)、ストップロスを小さく取ったトレードの方が最終的には優秀です。が、今回はシステムを使った自動売買での検証なので、裁量手法は割愛。
1時間足でRSIを使ったデイトレード手法
1時間足でRSIを使用する場合、リミット注文を290pips、ストップロス注文を280pips取ったトレード手法が優れています。
最終的に資産が2倍近く増加。PFは1.29、最大ドローダウンは約19%。
なんだか良さそうな売買手法ですが、売買履歴を見ると問題が見つかります。
リミット注文を290pips、ストップロス注文を280pips。さすがにこの値は大きすぎた為、1度建てたポジションがずっと残り続け、新規にエントリーシグナルが発生してもエントリーができなくなっています。
これはRSI本来の用途から外れており、カーブフィッティングの可能性も色濃くなるので、現実的な値ではなさそうです
そこで、おおよそ20pipsから140pipsの範囲で再度調べた所、ドル円の1時間足であればリミット100pips、ストップ90pipsが比較的良好でした。
リミット100pips、ストップ90pipsの資産推移
ここからドル円の1時間足でRSIを使った優秀な売買手法がないか?かなり探してみました。
- 例えば初心に振り返り、ドテン売買してみたらどうか?
- エントリーと同時にストップのみ設定し、利食いは反対シグナルはどうか?
- 逆張り風ではなく、順張り風にRSIを使ってみたらどうか?
検証が可能な範囲で思いつく限り実践しましたが、ドル円の1時間足だと、RSIを使った売買手法でコレ以上に良い手法は見つけられませんでした。
やっぱり、1つのテクニカル分析×短期売買は難易度がひと味違うようですね。
では短期売買の極みである、ドル円のスキャルピングであればどうでしょう?
1分足でRSIを使ったスキャルピング手法
1分足はストップ・リミットともに4pips~22pipsの間にて、2pips刻み。合計100通りの組み合わせで良い組み合わせが無いか調査。
結果、リミットを12pips未満、ストップを12pips~22pipsの間に設定したトレードが成績が良かったです。
例 リミット6pips ストップ20pips
検証に使用する価格データの質が悪いのか?
市場の値動きが変化してしまったのか?
検証する期間を2016年から2019年に限定し、原因の考察を含め様々な検証を行いましたが、全滅。
でも私は引かないぞ。
ドル円の1分足でRSIを使ったFXスキャルピング手法を気合いで作り続けました。その結果、順調に右肩上がりとなる手法が見つかりました。
2000年から2019年の資産推移です。
限りなく、理想に近いグラフ。こんな感じで資産が増えれば億万長者になれそうです。
この売買ルールは単純。
RSIが70を超えたら売りポジションを持ち、30以下になれば決済し、買いポジションを持つ。RSIが70を越えれば買いポジションを決済し、売りポジションを持つ。を繰り返す、RSIを利用したドテン売買です。
取引履歴が分かるチャート画面はこちらです。※クリックで拡大
リアルトレードでは注文が滑って不利な価格で約定したり、スプレッドの拡大など不確定要素が多々あったりすることから、先ほどのグラフのような見事な右肩が上がりの資産推移となりにくいかもしれません。
ただし、ドル円の1分足でのRSIを使ったスキャルピングなら、エントリーと同時にリミット注文・ストップロス注文を出すようなトレードでなく、ドテン売買の方が有効であるということは確定だと考えて良いでしょう。
となると、下手に損切りしない方が良さそうですね。ナンピン手法とも掛け合わせて上手く利益を掴んでいきたい所です。
【検証】FXでRSIの売買手法は使えるのか?まとめ
ドル円の日足を使用したスイングトレード
ストップロス注文を650pips、リミット注文を300pips
ドル円の1時間足を使用したデイトレード
※ただし、成績は日足でのトレードより劣る。
ドル円の1分足を使用したスキャルピング
※ただし、実際の売買では約定滑り、スプレッドの拡大の影響有り
今回の検証では以上の情報が得られました。
同じRSIを使うにしても日足、1時間足、1分足と時間軸を変えることで有効な売買手法、また成績が異なるということを改めて認識。
FX用RSI EA2種類の配布
今回の追考で使用したRSIの売買プログラム(EA)はソースコード含め、以下にダウンロードリンクを載せています。自身で試してみたいかたはどうぞご利用ください。