MACDのダイバージェンスの有効性
今日はトレンドの転換、終焉が近いことを示唆するMACDのダイバージェンスについて解説。なぜ発生するのか?なぜ有効なのか?背景を含めて深く紹介していきたいと思います。
MACDのダイバージェンスとは
ロウソク足とテクニカル指標の強さ。
この2つに乖離(かいり)が生まれることをダイバージェンスと呼びます。
ダイバージェンスはトレンドの終焉、転換の前兆です。
今回のダイバージェンスも下降トレンドの終焉の前兆であり、その後、上昇トレンドへと転換しています。
このようにダイバージェンスが発生しているかどうか見ることで、トレンドの転換を早期に予知することが可能です。
実際にダイバージェンスが発生した実例を確認していきましょう。
MACDダイバージェンス 下落→上昇トレンド転換
実例1 日本たばこ産業の株価チャート
実例2 東京エレクトロンの株価チャート
実例3 アンリツの株価チャート
どのチャートを見ても、MACDのダイバージェンスの発生の後、下落トレンドから上昇トレンドへ転換したことが分かります。
MACDダイバージェンス 上昇→下落トレンド転換
実例1 サイボウズの株価チャート
実例2 Zホールディングスの株価チャート
実例3 楽天の株価チャート
株価が上値を更新していても、MACDの上値が下落していれば弱気のサイン。上昇トレンドから下落トレンドへ転換する可能性が高い。
MACDのダイバージェンスはなぜ発生する?
価格とテクニカル指標の乖離であるダイバージェンス。
これはチャート形状により、発生したり、発生しなかったりします。
一定のリズムで上昇しているトレンドと比べ、不規則な上昇トレンドは弱気ムード増、利食い等による売り圧力の高まりが確認できます。
つまり、不規則な上昇トレンドの方がトレンド転換の可能性が高い。
これを視覚的に分かり易くしたのがMACDのダイバージェンスです。
このことからMACDのダイバージェンスは有効である。と言われています。
MACDのダイバージェンスの弱点
そんなMACDのダイバージェンスですが、有効に機能しない場面も見られます。
MACDのダイバージェンスが機能しなかったチャート例
機能しなかった場面(例1
機能しなかった場面(例2
機能しなかった場面(例3
このようにダイバージェンスが有効に機能しないこともあります。
MACDのダイバージェンスを使いこなすには、機能しなかった理由を押さえる必要があります。
なぜ機能しなかったのか?
機能しない場面で考えられる理由は次の2つ。
- トレンド継続を促す新規材料の発生。
- 他のテクニカル指標的に天・底の兆候が見られなかった。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1・トレンド継続を促す新規材料の発生。
MACDのダイバージェンスが発生し、市場が弱気(強気)になりつつある雰囲気が感じ取れたとしても、トレンドに影響を及ぼす新規材料が発生すればトレンド転換の前提そのものが崩れてしまいます。
・各種経済指標の発表
・政府要人の発言
・決算情報・プレスリリース等
MACDのダイバージェンスを確認し、エントリーしたとしてもトレンド転換に影響を及ぼすような材料が発表されないかどうか?引き続き監視する必要があります。
2・他のテクニカル指標的に天・底の兆候が見られなかった。
ダイバージェンスが見られても、RSI、出来高といった他のテクニカル指標で天・底の兆候となるサインが出ていなければ、既存のトレンドが継続し続けます。
天井付近では価格が買われすぎの水準になったり、出来高が急増したりします。
よってMACDだけを見るのではなく、相性の良いテクニカル指標を組み合わせるとより効果的に使いこなすことが可能です。
他のテクニカル指標にも兆候があれば、反転の可能性が尚高くなる。
ちなみに私はMACDのダイバージェンスを狙って売買することはありません。というのも数あるテクニカル分析の中でもかなり発生確率が低い部類に属する為です。普段は他のシグナルに従い取引し、もしダイバージェンスが見られたら、相場転換の可能性を疑う。このぐらいの利用がオススメです。