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日本通信の株価はどうなる?今後の予想

※記事内広告有り

業績悪化の日本通信。今後の株価はどうなる?

東証一部上場 日本通信(株)(9424)
赤字が急拡大し、純資産が減少。
株価はそこまで落ちていない為、PBRは驚異の56.48倍へと上昇しています。

日本通信のPBR

2020年5月21日時点

とれろく
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PBR56.48倍ははっきり言って異常。これから日本通信はどうなっていくのか?過去の業績を見つつ日本通信の株価を予想します。

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日本通信の業績は悪化の一途

日本通信は2016年度に21.6億円の大赤字を叩きだした後、
5年連続で赤字決算が続いています。

日本通信の業績推移

ここ5年で失われたお金は80億円以上。
売上が40億円も満たない会社でよくこれほどの赤字に耐えていると感心します。

当然、純資産額は大きく減少中。
新株発行などの資金調達により、なんとか債務超過を免れている状況です。
※2015年以降 財務活動によるCFは+30億円以上

純資産額の推移

そんな日本通信の株価は今後どうなっていくのか?
まずはチャートや各種指数を確認しましょう。

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日本通信の株価、各種指数

日本通信の株価は2014年に1000円を超えた後、下落中。
現在は180円前後で取引されています。

日本通信の株価推移

最新の株価はこちら

過去のPBRは概ね3倍以上で推移。
日本通信は純資産額が小さく、利益が大きい会社。
この為、PBRは高めに推移する傾向にあります。
※例)2014年純資産額34.7億に対し、利益8.8億

日本通信のPBRと株価推移

それでも、赤字続きでこのPBRは異常と感じざる負えません。

ちなみに日本通信は無配当企業です。
この為、日本通信で稼ぐには、株価の値上がり、値下がりを狙う他ありません。

日本通信って何の会社?何が起きている?

日本通信の主事業はMVNO。スマホの格安SIMを販売する事業者です。

スマホの通信料を大きく削減できるMVNO。
日本通信はMVNOの先駆者。導入期~成長期に大きなシェアを獲得してきました。

が、いまや楽天モバイル、UQモバイル、OCN、mineo、ラインモバイル等々、資本に物を言わす大企業が参戦。熾烈な顧客獲得競争が繰り広げられています。

日本通信は大手旅行会社エイチ・アイ・エスと合弁でH.I.S.Mobile株式会社を設立し、SIM事業に一層力を注ぐものの、好転しない様子。

競争の激しさ2020年度の決算資料を見ればよく分かります。

日本通信の決算資料

日本通信が赤字の原因は高い販売費及び一般管理費にあります。
売上総利益以上の金額をぶち込んでいるのが分かりますよね。

しかもその割合が2019年度は44.8%に対し、2020年度は51.0%へと高くなっています。
これだけお金を掛けないと、売上が維持できない。そんな状況です。

もちろん、これはライバル会社も同じ。
例えば楽天モバイルも高すぎる販管費により、赤字が急拡大中です。

楽天モバイルの赤字推移

楽天モバイルの2019年度の営業損失は600億円以上です。
とにかく競争がひどい。この競争が続く間は、日本通信の黒字化は見込めません。

資本と資本のぶつかり合いに巻き込まれている日本通信。
SIM事業からフェードアウトし、新事業の展開を準備しています。

FinTechプラットフォーム(FPoS)の商用化

日本通信はスマートフォンで安全な金融取引を実現することを掲げ、FinTechプラットフォームである「FPoS」(Fintech Platform over SIM、エフポス)を開発。
商用化に向けて取り組みを進めています。

日本通信のFPos

この技術が普及すると、日常生活で実印を使うことが無くなり、はんこ文化も無くなる。全てスマホで本人認証、電子証明が可能になります。

また色んなスマホアプリのパスワード管理も不要。
ログインID、パスワードなどを入力せずとも銀行口座にアクセスし、容易に送金することも可能です。

今はセキュリティの兼ね合いで、ログインID、パスワード等の入力が必要不可欠ですが、FPoSのセキュリティは強固とのこと。

「FPoS」の頭文字Fは フィンテックのF。

とれろく
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難しい分野でしたが、総務省の 「FinTech実証実験ハブ」支援決定案件の実験結果を読んだり、めっちゃ勉強しました。

結果、明るい話ばかりじゃないことが分かりました。

例えばこの電子証明の使用方法には次のデメリットがあります。

利用者が所有するスマートフォンのSIMカードに、電子証明書とそれに対応した暗号鍵(秘密鍵及び公開鍵)を格納したサブSIMを貼り付け、スマートフォン・SIMカードとサブSIMの各端末情報の紐付けを行う。
「FinTech実証実験ハブ」支援決定案件の実験結果について

既存のSIMカードに、日本通信の技術を適用したサブSIMを貼り付ける必要があるとのこと。

えっ後付け?しかも貼る?
スマホの機種によっては貼り付けられないものもあるよねきっと
てっきり、SIMカード自体に細工が施されるのかと思えば、違う。

ちなみに、金融庁で行われたこの実証実験。
参加している銀行がぱっとしない。

(参加金融機関等)
日本通信株式会社
株式会社群馬銀行
株式会社千葉銀行
株式会社徳島銀行
株式会社マネーフォワード
サイバートラスト株式会社

もっとメガバンクが参加していれば、期待度が高くなるものの・・・。
ん~。このメンツは・・・・。

マイナンバーカード×スマホで認証は既に運用段階

SIMカードで本人証明はまだまだこれからの段階ですが、マイナンバーカードとスマホを利用した本人認証は既に運用されています。

スマホにアプリをインストールし、マイナンバーカードにかざすと、マイナンバーカードにある電子証明データを読み取り、本人認証が成立。

コロナショックによる10万円の給付金受け取り方法にも採用されていましたよね。

政府としてはマイナンバーカードの普及を進めたい方針。
SIMカードよりも、こっちの認証サービスに力を入れていると受け取れます。

首相官邸 産官協議会も公式発表

未来投資会議 産官協議会 「スマート公共サービス」会合(第3回)より

1.経緯
○ 利用者証明用電子証明書のスマートフォンへの搭載については、これまで、スマートフォンのSIMカードに搭載する方式について実証実験を行ってきた。
○ 実証実験により現時点までに搭載の安全性確認まで至ったのは、携帯3キャリア(NTTドコモ・KDDI・ソフトバンク)のAndroid端末であり、国内のスマートフォンの一部に留まっている。
2.最新の市場動向や技術動向
○ 格安携帯事業者(日本通信)が、金融庁の平成30年度実証事業を活用し、SIMに重ねて用いる『サブSIM』に民間の電子証明書を搭載するサービスを、端末やキャリアに縛られず、低廉な料金で提供する動きが出てきた。
電子証明書のスマートフォンへの搭載について
3.対応状況
○ iPhoneを含めた幅広い端末・キャリアのスマートフォンへの搭載に向け、サブSIM方式についても、公的個人認証の利用者証明用電子証明書を搭載するための技術的課題や安全性の基準をクリアする必要があることから、平成31年度予算案に実証実験の経費を計上し、実証を進めることとしている。
また、電子証明書を搭載せずに公的個人認証サービスをスマートフォンで利用する方法として、マイナンバーカードを読み取ることが出来るスマートフォンが現在62機種まで増えており、iPhoneをはじめ、未対応の端末の製造業者に対して働きかけを行い、対応スマートフォンの拡大を進めることとしている。

本人認証の方法は電子証明だけじゃない

本人認証は「顔認証技術」が広がりを見せています。

スマホで簡単本人確認――顔認証技術を生かした、金融機関でも使われるeKYCサービスとは

三井住友フィナンシャルグループとNTTデータ、アイルランドのDaonの合弁で設立されたポラリファイは、2017年の設立当初から顔認証技術をはじめとする生体認証技術時代の到来を視野に入れてソリューションを提供してきた。

「そもそもIDとパスワードによる認証は課題が指摘されていました。パスワードの数が多過ぎる上、複雑なパスワードを設定しようとすると覚えきれません。いずれパスワードによる認証の時代は終わりを告げるでしょう。そのとき、パスワードに取って代わるのが生体認証です」(松山氏)

日本通信の実証実験にメガバンクが参加してない理由はまさにコレ。

SIMカードで本人認証するのでなく、顔写真といった生体認証で本人確認を実施。
どう考えててもコッチの方が普及が早い。だから銀行は日本通信の技術に目を向けていないのが実情です。

認証番号表不要!スマホだけで簡単・セキュアに認証アプリの登録可能

2019年9月30日より、山口フィナンシャルグループの子会社である山口銀行、もみじ銀行および北九州銀行の「ラクラク認証アプリ」(スマートフォンを使って取引の認証をかけることができるセキュリティサービス)のユーザー登録拡大を実現する本人確認として、最先端のオンライン本人確認サービスである「LIQUID eKYC」の利用を開始する予定です。

時代は顔認証。

私は日本通信のFPoSが普及することは無いと予想します。

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日本通信の株価は下落を続けると予想

日本通信の柱であるSIM事業で黒字化は厳しい。
はっきり言って大手との資本の殴り合いに発展した今、身売りしか無いと考えます。

数年以内にどこかのMVNO事業者に吸収される可能性すらあると予想します。
この場合、上場廃止。買収価格によっては一時的に株価が上昇する可能性もあるが期待薄。

SIM事業に変わる次の事業「FPoS」も普及しない。

SIMカードに電子証明を後付けだと、どうやって普及させていくのか?が大問題。
普及を待つぐらいなら銀行は顔認証に動きます。
公的機関はマイナンバーを利用した本人認証を普及させていきます。
「FPoS」の出番はない。

フィンテックバブルにより、日本通信の株価は高値圏を維持しています。
フィンテック銘柄だから上昇が期待できる。そんな希望が株価を支えています。

近いうちにその希望は砕かれ、
日本通信の株価は暴落していく。そんな見通しを立てます。
(超強気の予想)

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