低位株を使ったデイトレ手法を身に着けたい。
そんな株式トレーダーへ、私が実践している低位株のデイトレ手法について具体的に解説します。がっつり利ザヤを稼ぎ、短期的に稼ぎたいトレーダー向けのトレード手法ですが、デイトレだけあってややハイリスク。しっかりポイントを押さえていきましょう。
低位株はデイトレに向いている。
低位株は株価が100円~500円で推移している株のこと。
株価が小さい分、少額資金であっても取引することができ、何より小さな値動きが大きな利益になるという特徴を持っています。
低位株は変動率が優れている。
株価 | 変動幅 | 値動き率 |
2,000円 | 30円 | 1.5% |
300円 | 30円 | 10% |
同じ変動幅であっても株価が小さい低位株の方が値動き率が大きい。資金効率を考えれば、より大きな利ザヤが狙える低位株が有利。
また低位株はストップ安、ストップ高のに掛かる値幅制限が広く設定されています。この為、ストップ安、ストップ高に掛かりにくい。
よって勝つ時は大きく勝てるという特徴を持っています。
低位株は必要な取引資金が少ない。
株価 | 必要資金 | 特徴 |
2,000円 | 最低20万円~ | 分散投資しにくい |
300円 | 最低3万円~ | 分散投資しやすい |
また株価の小さい低位株は取引に必要な資金も少な目。低位株はデイトレを始める敷居が低いため、これから株取引を始める初心者にもオススメできます。
何より低位株は取引資金が少ないと複数の銘柄に分散して投資する「分散投資」が行いやすい。デイトレであっても1つの銘柄に集中投資するより、気になる銘柄へ分散投資した方が成績が日々の成績が安定します。
デイトレは予測不能なリスクを低減できる。
デイトレは株を保有している時間が短い。この為、夜間や土日に発生する想定外の暴落リスクに晒されることがありません。
夜に動く米国株市場。多くの経済指標、また政府要人の発言もあり株価は大きく変動。時にはリーマンショック、ギリシャショック、東日本大震災等々、危機にまで発展するような出来事が発生します。
過去の日経平均暴落履歴
順位 | 日付 | 日経平均終値 | 暴落率 |
1 | 1987.10.20 | 21910.08 | -14.90% |
2 | 2008.10.16 | 8458.45 | -11.41% |
3 | 2011.03.15 | 8605.15 | -10.55% |
4 | 1953.03.05 | 340.41 | -10.00% |
5 | 2008.10.10 | 8276.43 | -9.62% |
6 | 2008.10.24 | 7649.08 | -9.60% |
7 | 2008.10.08 | 9203.32 | -9.38% |
8 | 1970.04.30 | 2114.32 | -8.69% |
9 | 2016.06.24 | 14952.02 | -7.92% |
10 | 1971.08.16 | 2530.48 | -7.68% |
過去のデータを見ても、度々株価の暴落が起きているのが確認できます。2位、5位、6位、7位はリーマンショック、3位は東日本大震災、9位は英国の国民投票でEU離脱決定。デイトレならこういった暴落リスクを避けて取引することが可能。
低位株のデイトレは取引可能銘柄が多い。
現在、デイトレ可能な低位株は600銘柄以上。
市場 | 低位株 |
東証1部 | 247銘柄 |
東証2部 | 129銘柄 |
東証マザーズ | 46銘柄 |
東証ETF | 20銘柄 |
東証REIT | 0銘柄 |
東証その他 | 2銘柄 |
ジャスダック | 165銘柄 |
合計 | 609銘柄 |
特に東証1部上場の低位株は247銘柄と数が非常に多い。これだけの数があれば日々のデイトレで何も売買するものが無い。という事態は起こりにくい。低位株専門でデイトレードすることは十分可能。
上場銘柄全てを合計すると4,000社以上。これら全てをチェックし続けるのは困難。そこで低位株にターゲットを絞り、特化することは理に適った取引方針です。低位株なら誰よりも精通している。そんなデイトレーダーを目指しましょう。
デイトレ用の低位株銘柄 選定法
低位株がデイトレに向いているといっても、銘柄の選定方法を間違うと失敗することも。どのようにスクリーニングしていけば良いか?私が実践している方法を紹介。
私は楽天証券のMARKETSPEEDⅡを使ってデイトレ用の低位株を選定しています。細かな条件設定で、思い通りの銘柄を抽出できるので非常に便利。
他の証券口座を使われている方でも、参考にして貰えればと思います。
1・スクリーニング用の画面を出す。
マーケットスピードを起動し、投資情報→投資情報→銘柄ナビを選択。初期画面では取引可能な全銘柄(4,090件)が表示されています。
まずは低位株のみ表示されるよう、条件を追加します。
2・詳細検索条件にて、株価500円未満を追加
検索条件追加→テクニカル→株価を選択→選択した条件を設定。株価1~500円と設定すれば低位株のみ抽出することができます。
デイトレ用の低位株 抽出後の画面
検索結果の銘柄数が4090件→609件へと変化。抽出されている銘柄の株価も500円未満がズラりと並んでいます。
次に平均売買代金(千円)を追加し、流動性の低い銘柄を除去します。
3・平均売買代金(千円)を追加
低位株はデイトレに向いているといっても、商いが薄い銘柄(流動性の低い)は避ける必要があります。流動性の低い銘柄は買い値と売り値の差「スプレッド」が広がっていることが多く、思わぬ損失を抱えることも。
例えば損切りする際、450円で買った銘柄を445円で売りたいとする。が、板には442円の買い注文しか出ていない為、442円で売らざる負えない。という状況です。
流動性の低い低位株の板画面
流動性が少ないと、上記画像のように売り値と買い値の差「スプレッド」が大きい。もし447円で購入し、損切りする場合は最低442円での損切り。これはリスクが大きい。
そこで、平均売買代金(千円)を追加し、過去5日間の平均売買代金が1億円未満の銘柄の低位株を除外。除外した結果がこちらの画面です。
平均売買代金が1億円以上の低位株(500円未満)
全銘柄4,090件→低位株609件→平均売買代金1億円以上102件とデイトレ用の銘柄が大分絞れてきました。
4・最終条件を追加し、チャートをチェック
最後は次の条件を上から順番に1つだけ追加、取引しても良さそうなチャート形状を探します。
・値上がり率(%)
・値下がり率(%)
・年初来安値更新
・年初来高値更新
・出来高増加率(倍)
・売買代金増加率(倍)
それぞれ次のような狙いを持っています。
・値上がり率(%)、値下がり率(%)
どちらも逆張りデイトレで使うための条件。例えば値上がり率上位の銘柄は勢いが無くなり、下落に転じそうなチャート形状を探すのに使います。
例えば天井局面でストップ安が発生すると、その後下落トレンドに転換する傾向があります。
また値下がり率が高いのであれば移動平均線の乖離率を使うこともあります。
天井や底狙いなら値上がり率(%)、値下がり率(%)は外せない条件の1つ。
・年初来安値更新、年初来高値更新
これは単純なトレンドフォロー。順張りで使う時の条件です。どんな銘柄が条件にヒットするのかチャート例を紹介したいと思います。
こちら20日営業日以内に年初来高値を更新した銘柄のチャート。順調な右肩上がりの上昇トレンドを描いています。
こんな銘柄を見つけた後はひたすら監視。出来高の状態をみつつ、押し目で入れるタイミングを探ります。
・出来高増加率(倍)、売買代金増加率(倍)
最後に追加してみる条件がこの2つ。低位株デイトレの中でもまず間違いなくハイリスクハイリターンな銘柄を選ぶことができます。参考チャートがこちら。
200円近くあった株価が320円近くまで急騰。出来高、売買代金共に急増。非常にボラティリティに富んだ値動きです。勝てば儲けは非常に大きいものの、負ければ大損失。
値上がり率(%)、値下がり率(%)、年初来安値更新、年初来高値更新を日々チェックしていればデイトレ用の銘柄選びに困ることはありません。ただ、たまに何も売買するものが無い。という日があります。そんな日は、リスクを取ってこんな銘柄を攻めることも・・。
低位株のデイトレ!具体的な銘柄選定法まとめ
低位株はデイトレ向き。
・低位株は変動率が優れている。
・低位株は必要な取引資金が少ない。
・低位株デイトレは予測不能なリスクを低減できる。
・低位株デイトレは取引可能銘柄が多い。
低位株にターゲットを絞り、特化したデイトレーダーを目指すのは理に適った取引方針です。
取引する銘柄を選ぶ時は証券会社提供の取引ツールを使い、スクリーニングを実施。
株価500円未満、平均売買代金(5日間)が1億円以上に該当する銘柄に絞り、下記条件を1つだけ追加。
・値上がり率(%)
・値下がり率(%)
・年初来安値更新
・年初来高値更新
・出来高増加率(倍)
・売買代金増加率(倍)
それぞれで気になるチャート形状を探し、デイトレしていく。これが私の低位株デイトレ手法です。具体的なチャートパターンは出来高を見たり、移動平均線の乖離率を見たり、パターンは様々。下記関連記事でも紹介しているので良ければ合わせて読んでみて下さい。