MACDをFXで検証
今日はMACDを使ってFX取引をしようと考えている人にいくつかの検証結果を紹介したいと思います。こんな風に売買すると、こんな風に資産が推移したよ?という過去の解析結果を載せているので、トレード手法の開発に参考になると思います。
今日の記事は「MACDの見方や使い方」の中から、ゴールデンクロスによる買い、デッドクロスによる売りというトレード手法を知っている方向けに書いています。
もし、それってどんな手法だったかな?という方は先におさらいしておくことをオススメします。
FXでMACDをどのように使う?
さて、MACDというと、0ライン以下でのゴールデンクロスで買い、0ライン以上のでデッドクロスで売りという取引手法が基本的な使い方ですよね。
が、これだけしか知らないと、いざ売買していると、いくつかの疑問を抱くことになります。例えば次のチャート時、あなたはどのような判断を下しますか?
FX・ドル円日足チャート
①はデッドクロスの発生なので素直に売ればOKですね。
ただし、②ではどうしましょうか?ゴールデンクロスではないものの、MACDのクロスが発生し、弱い買いシグナルが発生しています。
①で売ったポジションを決済する?それとも正確にはゴールデンクロスでないため、そのまま①の売りポジションを保有し続ける?
さらに③ではどうしましょうか?再びデッドクロスが発生し、売りサインが点灯しています。①のポジションをまだ保有していた場合、追加で売り増しするのが正しいのでしょうか?それとも①のポジションが残っている為、サインを見逃すのが正解でしょうか?
MACDは意外と奥が深いテクニカル指標。FXで使っていると判断を迷う場面に結構、遭遇することがあります。そこでEA(自動売買)を使い、過去の値動きでトレード手法を検証してみましょう。
MACDの検証の仕方
FXトレーダーにおなじみの「MetaTrader4」には作成したEA(自動売買プログラム)を過去の四本値データを利用し、擬似的にトレードを行うテスト機能があります。
この機能を利用し、MACDをこのように使うと、このように資産が推移していたよ?という検証結果を紹介いたします。
MACDのパラメーター設定は(12、26、9)というスタンダードな設定。
検証期間は2000年から2019年6月。
FXの取引通貨ペアはドル円の日足。
Aというトレードルールを採用した場合、2000年から2019年6月にかけてこのように資産が推移したよ?というデータを早速見ていきましょう。
1・MACDのドテン売買FXトレード
FXでMACDを使ったドテン売買。
次のチャート画像の売買プログラムを作成しました。
FXでMACDのドテン売買した場合の資産推移がこちらです。
約20年で資産1.58倍。という残念な結果です。
2000年~2010年頃までは順調に資産が右肩上がりとなり、一時期は2.3倍近く増加しました。10年で資産2.3倍なら悪くないトレード結果です。
しかし、2010年~2015年にかけて資産が大きく減りました。
原因はドル円の急激な円安です。当時ドル円は80円でしたが120円近くまで一気に円安に振れました。
結果、売りポジションを増やす→さらに円安からのデッドクロス→売りポジションを増やす→さらに円安からのデッドクロスというようなナンピンが発生。なかなか反対のゴールデンクロスが発生しなかった為、大損という結果へ。
ちなみに2015年から2019年6月にかけて順調に資産は増加中。MACD使ったドテン売買トレードはここ数年では非常に有効手法です。
2・エントリーと同時にリミット、ストップロス注文
次にエントリーと同時にリミット注文(利食い注文)、ストップロス注文(損切り注文)を行うトレード手法を見てみましょう。
売買サインが発生する都度、リミット注文、ストップロス注文を出す為、一気に相場が動いても損失が限定されるという特徴を持ちます。
先ほどのドテン売買のように、反対シグナルが出ないと損切りできない。ということも起きない為、比較的安定した資産推移が見込めます。
ドル円の日足なので、リミット注文は400pips、ストップロス注文は200pipsで設定。
※100円で売った場合、リミットは96円。ストップロスは102円。
既にポジションを持っていても、追加でサインが出ればその都度ポジションを建てるというトレードルールです。また買いポジションを持っている中、売りサインが出れば売りポジションも持つという両建て状態が生まれるトレードルールです。
FXでMACDをこのように使うと、資産推移はぼちぼち良好です。
約20年で資産は2.16倍に増加。
ドテン売買の時に苦労していた2010年~2013年も損失を限定させることで、資産の目減りを防ぐことに成功しています。
利食いは400pips、損切りは200pipsという固定値を使っての検証でしたので、ボラティリティに応じて増減するようにすればさらに良い成績になりそうです。
3・エントリーと同時にストップ注文、利食いは逆シグナル
1つ目のドテン売買ルールと、2つ目の同時にリミット、ストップロス注文ルールをミックスさせたのが3つ目の取引手法です。
3つ目のトレードではMACDのシグナルでエントリーし、ストップロス注文(損切り注文)のみ発注。利食いは反対のシグナルが出てくるまで行いません。
損切り注文は2つ目の使い方と同じく200pips。
トレード結果は一番残念な内容となりました。
約20年で資産1.54倍。
損失のみ限定させ、なるべく利益を伸ばそうとするも、結果は惨敗。
もしFXでMACDを使ってトレードする場合、エントリーと同時にリミット注文、ストップロス注文を出す取引手法が一番有効。このような検証の結果が得られました。
FXでMACDを検証してみたまとめ
いかがでしたでしょうか?
FXでMACDを使う場合、ゴールデンクロス、デッドクロスだけでなく、様々な判断内容があり、決済方法をどのようにするか?で資産推移も大きく変化すると分かりましたね。
今回の検証では2つ目に紹介した「エントリーと同時にリミット注文、ストップロス注文を行うMACDの使い方」がFX取引で一番優秀でした。
が、売買ルールをさらに見直しすれば、結果が変わる可能性があります。
MACDのパラメーターを変更する。
FXの取引通貨を変更する。
ストップ、リミット幅を変更する。
MetaTrader4の最適化という機能を利用し、さらなる検証を行った記事がこちらです。
FXでMACDを使おうかな?と考えている人には参考になる内容です。良ければ合わせてお読みください。