5分足で移動平均線を使うなら結局何が正解?
「結局、移動平均線を使って5分足スキャルピングするなら何が正解なん?」と、疑問を抱えているFXトレーダーの方へ、検証データと一緒に5分足スキャルピングで使うべき移動平均線の期間、取引時間を紹介したいと思います。
重要な検証結果を先にお伝えすると次の2点。
・ロウソク足と移動平均線のクロスを利用した5分足スキャルピング
移動平均線の期間は40前後、深夜23時以降に取引すべき。
・移動平均線同士のクロスによる5分足スキャルピング
取引時刻11時~深夜0時に発生したシグナルでのみ売買
短期移動平均線の期間15、長期移動平均線の期間60で取引すべき
どうしてなのか?早速解説していきましょう。
5分足スキャルピングで移動平均線をどう使う?
移動平均線を使った取引手法は様々あります。
・ロウソク足と移動平均線のクロスを利用した売買
・移動平均線同士のクロスによる売買
・ロウソク足と移動平均線の位置関係による売買(グランビルの法則等)
・多数の移動平均線を使った取引手法(パーフェクトオーダー等)
移動平均線の使い方は多く、どんな使い方が一番正しいのか?また一番稼げるのか?分からなくなる方も多い。
私も情報の整理がてら、様々な移動平均線の使い方について記事を書いてきました。
ただこれらの記事は株式を売買しているトレーダー向けの内容もあり、FXトレーダーの方にそのままオススメできる記事ではありません。
特に5分足を使ったスキャルピングとなると、その売買の特殊性から専用にチューニングされた取引ルールを策定する必要があります。
そこで今回はMetaTrader4を使って検証できる範囲にて、どのように5分足で移動平均線を使うと良いのか?検証していきたいと思います。
今回、検証に使う取引ルールはシステム化しやすい以下の2つ。
・ロウソク足と移動平均線のクロスを利用した売買
ロウソク足が移動平均線を上抜けた時にロング、下抜けた時にショート。というスキャルピング手法で、一番成果の出た移動平均線の期間はいくつなのか?
また取引する時間帯の影響を調べるため、取引時間帯ごとの収支まで調査します。
・移動平均線同士のクロスによる売買
短期移動平均線が長期移動平均線を上抜けた時にロング、下抜けた時にショート。という5分足スキャルピング。こちらもどの移動平均線の期間同士の組み合わせが稼げるのか?
また取引時間帯ごとの収支を調査し、移動平均線のクロスを利用した5分足スキャルピングが有効な時間帯を調査します。
ドル円の5分足データを使用。スプレッドは0.2銭
MetaTrader4(GMT+2)でEA、ストラテジーテスター使用
検証期間:2020年06月~2020年10月
補足:なぜ移動平均線の期間だけでなく、時間帯まで調査するのか?
FXは知っての通り24時間売買できるものの、時間帯ごとの区分けが存在します。
早朝からオセアニアタイム、アジアタイム、欧州タイム、カオスタイム、米国タイムという区分けがあり、それぞれ値動きの仕方が大きく異なります。
比較的アジアタイムはレンジ相場が形成されやすく、欧州タイム、米国タイムにかけて大きなトレンド相場が形成されやすい。
この為、時間帯ごとに有効なテクニカル分析は変化します。よって移動平均線を使った5分足スキャルピングにおいても、有効に機能する取引時間が変化すると想定されます。
状況によっては、アジアタイムは期間10の移動平均線が有効だけど、欧州タイムになると期間20の移動平均線が有効。といったことも十分想定できます。
そこで今回の検証では移動平均線の期間だけでなく、その取引時間にまで焦点を当て、稼げる5分足スキャルピング手法を調査する。という訳ですね。
5分足スキャルピングで使うべき移動平均線の期間
早速、各取引ルールの中で優秀だった組み合わせを紹介。
・ロウソク足と移動平均線のクロスを利用した5分足スキャルピング
ドル円の5分足で移動平均線とロウソク足のクロスを利用した売買をするなら移動平均線の期間は40前後、深夜23時以降に取引すべきです。
今回の検証により、一番稼げた組み合わせの資産推移は次の通り。
移動平均線の期間40。上抜けでロング、下抜けでショート
ちなみに全525回の取引の内、勝ちトレードは408回(77.71%)、負けトレードは117回(22.79%)と勝率の高いトレード手法でした。
・移動平均線同士のクロスによる5分足スキャルピング
ドル円の5分足で移動平均線のクロスを利用した売買をするのであれば、短期移動平均線を15~20、長期移動平均線を60~80という組み合わせが優秀です。
また移動平均線のクロスが有効に機能する時間帯は11時~深夜3時頃です。
今回の検証により、一番稼げた組み合わせの資産推移は次の通り。
短期移動平均線の期間15、長期移動平均線の期間60
資産は順調に右肩上がりに推移しています。ドル円の5分足スキャルピングと移動平均線のクロス売買は相性が良いですね。
移動平均線同士のクロスを利用して売買する時の注意点。
ちなみに、よく聞く短期移動平均線の期間を5、長期移動平均線の期間を25に設定し、1日中売買すると次の資産推移となります。
適当な期間設定だと資産はみるみる減っていくと分かります。
5分足で移動平均線のクロス売買を行う時は短期を15前後、長期を60前後に設定し取引するようにしましょう。
5分足スキャルピング 移動平均線の使い方まとめ
今回の検証で分かったことまとめ
・ロウソク足と移動平均線のクロスを利用した5分足スキャルピング
移動平均線の期間は40前後、深夜23時以降に取引すべき。
・移動平均線同士のクロスによる5分足スキャルピング
取引時刻11時~深夜0時に発生したシグナルでのみ売買
短期移動平均線の期間15、長期移動平均線の期間60で取引すべき
どちらも移動平均線を使ったスキャルピング手法ですが、使い方1つで適正な移動平均線の期間は変わります。もし、この取引手法を採用する場合、目安の1つとして参考にして貰えると嬉しいですね。
この他、様々なスキャルピング手法を検証しています。良ければ下記の関連記事より読んでみて貰えると嬉しいですね。最後までありがとうございました。