平均足って人気だけどスキャルピングに使えるの?
そんな疑問を抱えているFXトレーダーの為に、本当に使えるのかどうか?システムで検証しました。結論から言うと、平均足は22時~24時の間でしか機能しにくいテクニカル指標です。それ以外の時間帯でスキャルピングする場合は要注意。
どうしてなのか?具体的データを使いつつ解説をしていきたいと思います。
スキャルピングに平均足を使ってみる。
平均足はロウソク足の価格変動を平準化し、トレンドの転換を分かりやすくしたテクニカル指標です。
ロウソク足と比べると、陽線陰線の切り替わりがゆるやかという特徴を持つ平均足。大きなトレンド発生に強く、トレンド発生から終焉時までしっかりと利益を抜ける強みを持っています。
※参考 大きなトレンド発生時の平均足
ただし、平均足は上昇、下落が短期間で発生するようなレンジ相場に極端に弱い。
※参考 レンジ相場の平均足チャート
ロウソク足よりも平準化されていたとしても、売買シグナルが多発。またその売買シグナルの精度自体も非常に悪い。
天井付近で買いシグナル、底付近で売りシグナルが連発し、みるみる資産が減っていきます。レンジ相場×平均足ほど悪い組み合わせはありません。
そんな平均足を使ってスキャルピングすると、どのような結果となるのか?検証していきました。
平均足を使ったスキャルピング結果
早速ですが、平均足のEA(自動売買プログラム)を作成し、MetaTrader4でバックテストした時の資産推移がこちらです。※売買は平均足の色変わりを売買シグナルとしドテン売買という非常にシンプルなルールで実施
1分足平均足スキャルピング資産推移
通貨ペア:ドル円 1分足
スプレッド:0.5銭
検証期間:8月1日~9月30日の2か月間
とにかくズタぼろの取引結果です。単純に1分足で平均足スキャルピングをしても必ず負けると分かります。利益を伸ばす順張り系テクニカル指標らしく勝率が非常に低い。平均足を生かすにはトレンドが発生しやすい時間帯でのみ取引するといった制限を掛ける必要があると分かります。
そこでまず初めに先ほどの売買12,135回をシグナル発生時刻別に集計し、何時に発生した平均足シグナルが優秀な成績なのか?特徴を調査しました。
1分足を使った平均足スキャルピングの時間帯損益まとめ
結果、全ての時間帯で平均足の収支はマイナスだと分かります。ただし、22時台に発生した平均足シグナルはあと少しで黒字化しそうです。1分足で平均足スキャルピングするなら、22時台のシグナルのみ信頼性が高く、他の時間帯は駄目。
せっかくならもう少し裏付けが欲しい。そこで5分足で平均足スキャルピングをした時はどうなるのか?追って調査しました。
5分足平均足スキャルピング資産推移
通貨ペア:ドル円 5分足
スプレッド:0.5銭
検証期間:8月1日~9月30日の2か月間
1分足スキャルピングと比べると、マイナス幅が小さくなったものの、依然収支はマイナス。5分足であっても平均足を使ったスキャルピングは機能しないと分かります。
先ほどと同じく、シグナル発生時刻別に集計し、何時に発生した平均足シグナルが優秀な成績なのか?特徴を調査しました。
5分足を使った平均足スキャルピングの時間帯損益まとめ
結果、5分足でも全ての時間帯で平均足の収支はマイナス。ただし、22時台に発生した平均足シグナルは黒字化済み、さらに23時台もあと少しで黒字化です。
1分足、5分足。それぞれで平均足を使ったスキャルピングを行い、時間帯別の収支を計算した所、22時~24時の間であれば平均足が有効に機能しやすいというデータが得られました。
どうして22時~24時が平均足が機能しやすいのか?
今回、バックテストで検証した時刻は夏時間。
夏時間の22時というと米国市場が始まり、丁度1時間が経過した頃です。この時間帯はボラティリティも高くなり、1日の間で最も為替が動く時間帯です。
つまり、そもそも22時~24時はトレンドが発生しやすい時間帯です。
平均足はトレンドに強く、レンジに弱いテクニカル指標。このため平均足が最も有効な時間が22時~24時というのも納得できますね。
どうやって平均足スキャルピングの成績を向上させる?
正直、平均足のシグナルだけを使った単純な売買はイマイチの稼ぎです。もう少し収支を改善させなければ実戦投入する気も起きません。
私は平均足を使ってスキャルピングはしない人。なので以降さらなる検証は行わないものの、アイデア・考え方の参考になると思うで興味のある方向けに成績向上方法を紹介します。
1・曜日を使ってフィルタリング
トレンドが発生しやすい時間帯があるように、トレンドが発生しやすい(値動きが大きい)曜日が存在します。
せっかくなら平均足が機能しやすい曜日でのみ平均足を使い、他の曜日は他のテクニカル指標を使って取引するというのも1つの取引手法です。
適材適所。何も常に平均足を使って取引する必要はありません。同じような理由でボリンジャーバンドを使ってスキャルピングする場合、私は日中でのみ使うことを推奨しています。
テクニカル指標には時間帯は曜日によって得て不得手が存在しています。相性の良い時間帯でのみ使いましょう。
2・他のテクニカル指標と組み合わせる。
レンジ相場を避けることのできるテクニカル指標があれば平均足と組み合わせることで成績を向上させることができます。
とはいっても移動平均線と組み合わせるのはオススメしません。よく平均足は移動平均線と組み合わせればいい。という記事や解説を見るものの、そもそも移動平均線自体レンジ相場に弱いテクニカル指標です。
レンジ相場に弱いテクニカル指標同士を組み合わせた所で相乗効果はありません。
そこで、例えば私が組み合わせるなら候補の1つにMACDのヒストグラムを挙げます。
また取引機会が大きく減少してしまうものの、RSIも組み合わせるテクニカル指標として問題ないでしょう。
不得手をカバーできるテクニカル指標と平均足を組み合わせれば、スキャルピングの成績の向上を目指すことが可能です。
平均足でスキャルピング まとめ
平均足というとシグナルが分かりやすく、いかにも稼げそうという印象を受けがち。
とはいってもきちんと検証すれば、平均足をスキャルピングで使うのは要注意だと分かります。
今日のまとめ
・平均足を使うなら22時~24時の間のシグナルに限定する
・曜日を絞る、他のテクニカル指標と組み合わせるといった工夫が必要
この他、スキャルピングに役立つ検証記事を多数書いています。良ければ下記関連記事より読んでみて貰えると嬉しいですね。最後までありがとうございました。