株とナンピン買いは非常に相性が良い
株式投資初心者がすべきでは無いと言われがちな「ナンピン買い」。私は株式投資に限って言えば非常に相性が良い取引手法だと考えています。今日はその理由について解説していきたいと思います。
ナンピン買いとは?
ナンピン買いは株価が下落した株を買い増しし、平均取得単価を下げ、トータルで勝ちに行く取引手法です。
下落した株を保有し続ける塩漬け、また株を手放す損切りと比べた場合、株価が上昇に転じれば早期に含み益へと変わるという大きな利点を持ちます。
ただし、そのまま株価が下落してしまった場合、損失が膨らみ続け、最悪株式市場から退場してしまうこともあります。
一見、諸刃の剣とも受け取れるナンピン買いですが、本来、株取引とは非常に相性が良い取引手法です。※具体的なナンピン買い手法は別記事にまとめているので、もし良ければ合わせて読んで頂ければと思います。
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株とナンピン買いが相性が良い3つの理由
株とナンピン買いが相性が良いのは主に次の3つの理由。
- 株はインフレ率と相関性がある。
- ピンポイントで買い場を掴むのは難しい
- 業績の良い株は上がり続ける。
それぞれ具体的に解説していきたいと思います。
株はインフレ率と相関性がある。
物価が上昇するインフレ。インフレになると金利が上昇し、その結果、企業の投資活動が冷え込み、株価にマイナスの影響を及ぼす。と、学んだ投資家も多いと思います。
が、実際はインフレは株式市場にとって、長期的にプラスの影響を及ぼす現象であり、インフレが望めるなら株は間違いなく買いです。
こちらの記事では各国のインフレ率と株価をグラフ化し、どのような傾向があるのか調査しています。結果、株はインフレ率に合わせて上昇する「モノ」。インフレするなら株は上昇すると分かります。
今、日本は2%の物価上昇(インフレ)を目指し、過去に無い金融政策を取っています。分かり易いところでいえば、日銀による株・不動産投資信託の買いあさりです。物価が下落しないよう政府による買い支えが行われている現状は株式市場にとって大きなプラス。
株はインフレ率と相関があり、政府はあらゆる手段でインフレ率を高めようとしています。長期的に見れば株価上昇方向にも関わらず、含み損を抱えたからといって安易に損切りしてしまうのはもったいない。
ピンポイントで買い場を掴むのは難しい
「今まさに底値」という絶妙なタイミングで株を購入できれば素晴らしいですよね。その為にMACDやRSIといった様々なテクニカル分析が開発されたり、トレンドライン、各種チャートパターンなど、多くのチャート分析手法が生まれらりしました。
が、それらを駆使しても、絶妙な場所で株を買うのは至難の技だと誰しも理解しています。
考えられる唯一の勝ち方といえば「暴落した時に買え」です。なんらかの事情で明らかな割安状態になれば、株価は自然と上昇します。
低すぎる株価は敵対的TOBの的になったり、新株を発行して資金調達を行えなくなったり、持ち株会に所属している社員の士気が下落したり、企業にとって良いことは1つもありません。割安であれば自社株買いを実施し、株価上昇を後押することだってあるでしょう。
当然、そもそもの株価が割安だと判断されれば多くの株式投資家が注目し始めます。その結果、頻繁に売買が行われ、出来高が増大、底値を形成する場面が多く見られます。
もし株価が下落し、含み損を抱えてしまった場合、いつ底値が訪れるか?底値となった兆候があるのか?を考え、再度底値を狙ってナンピン買いと行うのは理にかなった考え方です。
業績の良い株は上がり続ける。
業績の良い株は、短期的に下落したとしても必ず戻ります。
「業績悪化以外での株価下落はナンピン買いで挑め」
好調であれば純資産が増加し、PBR面で割安化。また株価が下落すればPERも減少し、さらに割安感が増します。「果報は寝て待て」という言葉があるように、一時的な株価下落に過敏に反応するのではなく、好調な業績が継続するという見込みがあるならナンピン買いし、次の四半期決算発表を待ちましょう。
株式市場はその企業の強さだけでなく、政治・世界経済、様々な要素で乱高下してしまいます。企業業績は好調にも関わらず、株価が下落してしまうことは度々起こります。
最近ではコロナショックが良い例です。コロナショックにより、業績向上が見込めるはずの銘柄まで大変な株価暴落に巻き込まれてしまいました。が、その後すぐに株価は回復、既に暴落前の価格よりも上昇しています。
その会社に影響を及ぼさない悪材料での株価下落はナンピン買いのチャンスと見ることができます。
株のナンピンで大損してしまうケース
ただし、当然どんな株もナンピン買いすれば良い訳ではありません。もし次の条件のどれかに当てはまる場合、ナンピン買いせず、損切りした方が賢明です。
- 業績が悪化しており、好転の可能性がない
- 業種自体が衰退期にある
- 余剰資金がなく、塩漬けに耐えられない。
それぞれ一見当たり前の条件に見えるものの、含み損を抱えた状況では「自身に有利な情報のみ信じやすい」という心理状態に陥り、正しく判断できないことも多い。
それぞれの条件に当てはまるかどうか?慎重に検討していく必要があります。
業績が悪化しており、好転の可能性がない
下落トレンドにある銘柄を逆張り買いで挑み、含み損を抱えてしまった場合、ナンピン買いをせず損切りした方が良い。
あくまでナンピン買いはトレンドフォロー、業績好調が続くと見込める銘柄に適した手法です。逆日歩が発生している銘柄、赤字転落した銘柄などはナンピン買いに適していません。
「株価が下落してもナンピン買いができる銘柄を買う。」株初心者はこの精神で購入する株を選ぶのがオススメです。
業種自体が衰退期にある
業種が衰退期にある銘柄をナンピン買いすると大損の可能性が非常に高くなります。
一時的な株価上昇が起こりえたとしても、長い目で見れば下落。ナンピン買いには向いていません。
株はサービス業、小売業、建設業、銀行業など33の業種に分けることができます。
業種別に各種指数を比較することで。伸びが期待されている業種、落ちていく業種が一目瞭然です。例えば銀行業のPBRは平均0.3倍、対して情報・通信業は今では3倍近いPBRです。もし銀行株に手を出しており、含み損を抱えているなら損切りすべきです。
もちろん、その業種がダメだからその銘柄もダメ。と一概に決めつけることはできません。ただし1つの参考指標として、含み損を抱えている銘柄はどんな業種に属しているのか?その業種はどのように評価されているのか?知っておく必要があります。
具体的な銘柄でいえば高配当のJTは買ってはダメ。いかに業績が良くとも業界自体が評価されていない為、株価は下落が続きます。
余剰資金がなく、塩漬けに耐えられない。
時にナンピン買いは長期の塩漬けと付き合う羽目になります。
2008年ごろに起きたリーマンショック。
多くの株が暴落し、その後V字回復しましたが塩漬け期間は非常に長く、非常に強い銘柄でも2年、中には株価回復まで4~6年近く掛かった銘柄もありました。
長期的に使わない見込みの余剰資金であれば、寝て育てることができるものの、そうでなかった場合は損切りし、小さくなったお金を引き出す必要があります。
余剰資金であり、塩漬けが可能。もしできない場合はナンピン買いはすべきでありません。
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株式投資はナンピン買い前提で挑むべき理由 まとめ
株とナンピン買いが相性が良いのは主に次の3つの理由。
- 株はインフレ率と相関性がある。
- ピンポイントで買い場を掴むのは難しい
- 業績の良い株は上がり続ける。
だから長期で見て、勝てると見込める場合、損切りせずナンピン買いをすべきです。ただし次の条件に当てはまる場合、損切りした方が賢明です。
- 業績が悪化しており、好転の可能性がない
- 業種自体が衰退期にある
- 余剰資金がなく、塩漬けに耐えられない。
株取引は長期で挑めはトータルでプラスに持っていきやすい。このため、そもそもナンピン買いして良い銘柄、ナンピン買い前提で買うことをオススメします。
ちなみに私は「ナンピン 空売り」も行う株式トレーダーです。長期的に下落する見込みのある銘柄は一時期な株価上昇に怯えず、積極的に空売りを仕掛けます。※空売りする場合のナンピンのコツはまた後日の機会に。